アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

リストが弾いたチッカリング、スタインウェイ

2016年04月20日 | ピアノ
ショパンの時代の、というかショパンが好んだピアノというと、エラールかプレイエルか…

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「体調のすぐれないときはエラールのピアノを弾く。すぐに完成された音が出せるから。体調がよくて、自分の思い望む音を出したいときはプレイエルを弾く」
とショパンは言ったそうなんですが(「すぐわかる! 4コマピアノ音楽史 ロマン派~20世紀」より)。

確かに、私あたりが言っても説得力がないかもしれませんが、昨日の記事に貼ったように、ショパン時代のプレイエルでモツソナ弾いたときに思ったんですけど、ほんとに自分とピアノさんの気持ちがぴったり近い感じで、一音入魂で弾いてるときはとてもむしろ弾きやすいように感じます。でも、乱暴に弾くと簡単に乱暴な音が出ます(笑)

上記の本の中の、4コマ漫画では、ショパン先生のところに生徒がレッスンに来て
生徒「うちのエラールではもっとよく弾けていたのですが…」
ショパン「エラールは常に美しい音を出すことができるけれど長いこと使うとタッチの感覚がマヒしてしまうのかもしれないね」
ショパン「心に思い描いた音を指先に伝えるのさ」
生徒「(なんて美しくピュアな音なんだろう!)」
生徒「なるほど、わかりました!」
ショパン「練習のしすぎは禁物さ。全身全霊でよく聴いて音をつくりだすんだ」
となっています(^^;;

私は古いプレイエルをわりと「弾きやすい」と感じたのですが、「弾きにくい」と感じる人もけっこういるようで、これは別に私がウマイからとかではなく、比較的(譜面づらが)簡単な曲をじっくり聞きながら弾いたからではないかと思います。

一方、エラールは工夫の人で、ダブルエスケープメントが有名ですがそのほかも、現代ピアノにつながるいろんな機構を開発しています。リストはエラールのほうを好んだようですね。豊かな音量、華麗な音色、すばやい連打。プレイエルだと叩き壊しちゃうかもしれません…

というわけで、ショパン&リストの時代というと、プレイエル、エラールといったピアノの印象が強いですが、確かにショパンは若くして亡くなってますからまぁそういう時代、でもリストは長生きしてますからね。

その間、ピアノの歴史は目覚ましく進歩の道を駆け抜けて行っているので、実は晩年のリストは、チッカリング、スタインウェイといったあたりも弾いてるんです。なんでも、リストの家にピアノを持ち込んで弾いてもらえば「リスト先生ご使用済み」ということで高く売れたとかで、新作が次々運び込まれていたんだって。

それにしてもチッカリング(アメリカ)は遠いんじゃないかと思うのですが、パリにいたチッカリングの次男のところから、アルプス越えてはるばるローマのリスト宅まで運んだという話を見つけました。リストや、リスト宅を訪れたグリーグにも気に入ってもらえたようなので、がんばった甲斐があったね!!

ところで、ショパン、リストの時代でピアノといえばもうひとり!! アルカンを忘れてはいけないと思うのですが(反論不許可)上記の4コマ漫画本の中ではちんまりと、「ショパンのピアニスト仲間たち」というコラムに出てくるだけなんです。曰く、ショパンは孤独を愛しつつもひとりぼっちは嫌、というめんどくさい人だったのですが、少数の仲良しピアニストがいて云々、パリにいたころ特に親しく交際したのは「隣人のシャルル・アルカン(1813~1888)でした。パリに生まれ、6歳でパリ音楽院に入学し、ジメルマンに師事した彼は、リストにも賞賛されたピアノの名手。晩年のショパンは、自ら綴った「ピアノ奏法」の草稿を、アルカンに遺贈しようと考えていたと伝えられます。」

というわけで、漫画だけだと大した情報量がありませんが、コラムまで隅々読んでいくとなかなか深いですよ。ピアノと作曲家の歴史がぎゅっと詰まった一冊。

同じ会社から出てるシリーズで、音楽史三分冊(すぐわかる! 4コマ西洋音楽史 123)があるんですが、私はたまたまそれを先に見かけて買っちゃったんですよね。それはそれでおもしろかったんだけど、ピアノの話はどこへいったという感じでした。ピアノ愛の方には上記と、それからその前の時代についての一冊(「すぐわかる!4コマピアノ音楽史  ピアノの誕生~古典派編」)のほうをお奨めします。

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