みなさん、「美」を追求するとか聞くとどんなイメージが浮かびますか?
←一点集中で追求すると危ういってのは「美」に限らないけどね
私は…たとえばですけど、バービー人形みたいになりたくて整形に次ぐ整形をして…ってな人が思い浮かびます。
ふつうの人から見ると、確かにお人形さんみたいなパッチリ目、筋のとおった鼻、すっきり顎、そしてありえないくらい細い!! けどもなんか気持ち悪い、という感じなんですけども。お金もめちゃかかるうえ健康にも明らか悪そうですけど、まぁご本人の思う「美」の追求の結果ですし、本人がそれで幸福なら他人がとやかくいうことじゃないですね。
けど、整形を繰り返している人の中には、本人もそのような状態が辛くてしかし抜け出せないということがあるようなので、そういう場合は依存症に近い何かといえるかもしれない。
ともかく、「美」をとことん追求するということは、そういう、バランスを欠いた、ある意味病的なイメージがあります。
さらに、「美」に「学」をつけて「美学」なんてなったら(「~の美学」)、たとえばですけど三島由紀夫の割腹自殺とかそんなイメージで、この場合もはや見た目も一般的にいう「美しい」とはかけ離れた状態ですが、本人がよければいい…かというと、命まで落としたりするのでやっぱりよくはないですね。パルクールや冬山登山、あるいは山岳スキーなどエクストリームなスポーツ系も、追求する人にとっては「美学」なのでしょうが、それで命を落とすこともあります。
artomr先生に薦められてポチった「危険な「美学」」(津川英輔)という本は、前書きによれば
「まさか人を害するとは見えない美というものに、実はとても危険な面があることを指摘したい。世の中にこの理解が広まると、人が美に踊らされて危険な行動に走ることがなくなる、さらに言ってよければ、戦争のような悪の正体を見抜く目が磨かれる、おこがましいが、それが私の理想である。」
…ちょっと待って、どうして「美」が「まさか人を害するとは見えない」って話になってるんですか?? そんなこと思ってる人いるの??
「美」を追求すると聞いただけで危険な香りがする、さらに「美学」ともなりゃ怪しさ10倍、って思うものじゃないですか??
そんなアタリマエのことをわざわざ学者さんに解説してもらう意味ってあるのかな、というのが私がこの本を手に取ったときの偽らざる心境ですが、読みましたよご推薦ですからね…
この本は、まず「美」というものの基本構造や美とは何かについて述べて、それから実例として
・高村光太郎
・アニメ「風立ちぬ」
・結核
・軍歌
というようなことを分析しています。内容自体はとてもよく整理されていて読みやすく、おおなるほどと思うことも多いんですけどね。
高村って、ともかく素晴らしい文才があるので、その力で戦時中は美しく死ぬ気分を煽るような詩をいろいろ書いてしまったのですね。で、それを読んでたくさんの命が散った、と。
彼は戦後になってそれを反省して、セルフ流刑というか、田舎で一人暮らしをするんですけれども。それはもちろん、真摯な態度ではあって、しかし彼が考えていたことというのはやはり「美」の追求であって、その行動が正しいかどうかというのはやってみなくちゃわからないというようなことを言っているので…
やっぱり、わかってない。
知ったり、考えたりすることなしに「美」に向かって突っ走ったら危ないよというふうには思ってない。
そういう人いるよね…ということは興味深い。まぁありがちだけど。
「風立ちぬ」は元々、美の追求というものの危うさを描いた作品ともいえるので、あまりセリフを数えたりして分析しても新しいことは出てこないのではないかと
----参照: 公式の「企画書」(宮崎駿)
私達の主人公二郎が飛行機設計にたずさわった時代は、日本帝国が破滅にむかってつき進み、ついに崩壊する過程であった。しかし、この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。
自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。夢は狂気をはらむ、その毒もかくしてはならない。美しすぎるものへの憬れは、人生の罠でもある。美に傾く代償は少くない。二郎はズタズタにひきさかれ、挫折し、設計者人生をたちきられる。それにもかかわらず、二郎は独創性と才能においてもっとも抜きんでていた人間である。それを描こうというのである。
----
それで、ほぼ明らかだと思われる美学の危険性というものを、学問的に分析していくことで新たにどんな(実生活に役立つ)知見が得られるのかというところだけど…
まだナナメ読みなので、よくわかりません(^^;; 音楽とのからみのことが「軍歌」の章に書いてあるらしいよ。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社
←またろうがイラストを描いた本(^^)

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私は…たとえばですけど、バービー人形みたいになりたくて整形に次ぐ整形をして…ってな人が思い浮かびます。
ふつうの人から見ると、確かにお人形さんみたいなパッチリ目、筋のとおった鼻、すっきり顎、そしてありえないくらい細い!! けどもなんか気持ち悪い、という感じなんですけども。お金もめちゃかかるうえ健康にも明らか悪そうですけど、まぁご本人の思う「美」の追求の結果ですし、本人がそれで幸福なら他人がとやかくいうことじゃないですね。
けど、整形を繰り返している人の中には、本人もそのような状態が辛くてしかし抜け出せないということがあるようなので、そういう場合は依存症に近い何かといえるかもしれない。
ともかく、「美」をとことん追求するということは、そういう、バランスを欠いた、ある意味病的なイメージがあります。
さらに、「美」に「学」をつけて「美学」なんてなったら(「~の美学」)、たとえばですけど三島由紀夫の割腹自殺とかそんなイメージで、この場合もはや見た目も一般的にいう「美しい」とはかけ離れた状態ですが、本人がよければいい…かというと、命まで落としたりするのでやっぱりよくはないですね。パルクールや冬山登山、あるいは山岳スキーなどエクストリームなスポーツ系も、追求する人にとっては「美学」なのでしょうが、それで命を落とすこともあります。
artomr先生に薦められてポチった「危険な「美学」」(津川英輔)という本は、前書きによれば
「まさか人を害するとは見えない美というものに、実はとても危険な面があることを指摘したい。世の中にこの理解が広まると、人が美に踊らされて危険な行動に走ることがなくなる、さらに言ってよければ、戦争のような悪の正体を見抜く目が磨かれる、おこがましいが、それが私の理想である。」
…ちょっと待って、どうして「美」が「まさか人を害するとは見えない」って話になってるんですか?? そんなこと思ってる人いるの??
「美」を追求すると聞いただけで危険な香りがする、さらに「美学」ともなりゃ怪しさ10倍、って思うものじゃないですか??
そんなアタリマエのことをわざわざ学者さんに解説してもらう意味ってあるのかな、というのが私がこの本を手に取ったときの偽らざる心境ですが、読みましたよご推薦ですからね…
この本は、まず「美」というものの基本構造や美とは何かについて述べて、それから実例として
・高村光太郎
・アニメ「風立ちぬ」
・結核
・軍歌
というようなことを分析しています。内容自体はとてもよく整理されていて読みやすく、おおなるほどと思うことも多いんですけどね。
高村って、ともかく素晴らしい文才があるので、その力で戦時中は美しく死ぬ気分を煽るような詩をいろいろ書いてしまったのですね。で、それを読んでたくさんの命が散った、と。
彼は戦後になってそれを反省して、セルフ流刑というか、田舎で一人暮らしをするんですけれども。それはもちろん、真摯な態度ではあって、しかし彼が考えていたことというのはやはり「美」の追求であって、その行動が正しいかどうかというのはやってみなくちゃわからないというようなことを言っているので…
やっぱり、わかってない。
知ったり、考えたりすることなしに「美」に向かって突っ走ったら危ないよというふうには思ってない。
そういう人いるよね…ということは興味深い。まぁありがちだけど。
「風立ちぬ」は元々、美の追求というものの危うさを描いた作品ともいえるので、あまりセリフを数えたりして分析しても新しいことは出てこないのではないかと
----参照: 公式の「企画書」(宮崎駿)
私達の主人公二郎が飛行機設計にたずさわった時代は、日本帝国が破滅にむかってつき進み、ついに崩壊する過程であった。しかし、この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。
自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。夢は狂気をはらむ、その毒もかくしてはならない。美しすぎるものへの憬れは、人生の罠でもある。美に傾く代償は少くない。二郎はズタズタにひきさかれ、挫折し、設計者人生をたちきられる。それにもかかわらず、二郎は独創性と才能においてもっとも抜きんでていた人間である。それを描こうというのである。
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それで、ほぼ明らかだと思われる美学の危険性というものを、学問的に分析していくことで新たにどんな(実生活に役立つ)知見が得られるのかというところだけど…
まだナナメ読みなので、よくわかりません(^^;; 音楽とのからみのことが「軍歌」の章に書いてあるらしいよ。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社

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