アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

英語の外部試験延期、今度はマトモに考えてほしい

2019年11月10日 | 大学受験
迷走している大学受験改革、英語の外部試験が延期になったのって、いいんだか悪いんだか、

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もう3000円(予約金)払っちゃってる人も多いし、仕組みの資料さんざ読み込んだり「わけわかんねぇ~!!」って叫んだり対応対策考えたりしてからの延期(現在の受験生にとっては中止)っていったい人の労力と心労をなんだと思ってるのよ、って話。

この期に及んで体を張って(「身の丈」失言)阻止してくれた大臣GJ(←皮肉です)

もろもろ無理あるのはわかってたはず
(東京の八月は暑いのわかってたのに招致しちゃって土壇場で札幌とか言い出すみたいな)

いったい誰が言い出したのか? 誰が推進したのか? 誰得なのか??

私もそうだけど自分の子どもが対象じゃない人はざっくりしか報道とか見てないと思うので、ひととおりおさらいするための便利なまとめ

大学入学共通テスト英語民間試験延期!大学入試改革関連記事リンク集
(おおたとしまさ公式ブログ)

それと、延期が決まった直後に行われた文部科学委員会の動画
衆議院インターネット審議中継

ここでは、参考人がまずスピーチしてそれから議員さんが質問するという進行で話が進むんだけど、呼ばれている参考人は中学・高校・大学それぞれの立場から一名ずつ、それとベネッセ。

この大学の人(羽藤由美 京都工芸繊維大学教授)がたいへんまっとうな主張をしているので(動画ぜんぶ見るのもたいへんだから)概略をメモしておきます。

こちらの大学では、「四技能」重要だと考えて独自のスピーキングテストを導入しAO入試でも活用しているそうなのですが、それによってその効果もわかりつつ、困難もいろいろ身に染みているのでそれを踏まえて話をされています。

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延期の決定がここまで遅くなったことによって現場へ大きな痛手を与えることになり残念。実施が難しいことは元からわかっていて、専門家の多くが声を上げていたのに。

スピーキングのテストを実施する場合、
採点の質を確保するにも、
複数回のテストで比較可能な結果を得るための標準化をするにも、
トラブルや不正の防止をするにも、
障碍者対応をするにも、
かなりのコストがかかる。

しかし民間の試験団体は営利が前提。利益の追求と試験の品質・公正性公平性は「あちらを立てればこちらが立たず」の関係にある。

ところが国からは、試験会場を増やせ、料金を下げろといわれる。

できることは質を下げることである。事業者が悪いのではなくそうせざるをえない。(*)

テストのデザインにしても、質の確保にしても、ブラックボックスになってしまう事業者の中を、大学入試センターなどの公的な立場から覗きみる仕組みがない。

教育のインフラ(共通テスト)を民間に任せるのは大きな判断。
それによって得られるものと失うものの大きさの比較検討がなされていない。

また、複数の事業者を利用するということで、内容や目的が異なるテストの結果を比べるという無理難題が生じるが、
この対応表として文科省が出したものは根拠のないでっちあげである。

今回の延期決定から、再度の検討が始まるが、
今度こそ広く専門家や現場の意見を聞き、緻密でオープンな議論をしてほしい。
今回の騒動に失望した若者の信頼を回復できるように。
------- まとめはアンダンテによる

いやもうほんとにおっしゃるとおりで、頑張ってスピーキングテストを工夫して実施してきたからこそ、こんなのを全国規模でやることの困難、それを民間業者に丸投げすることの危険がよくわかるのでしょう。

センター試験は「理想」とは程遠いかもしれないけれど、
日本全国津々浦々でだいたい公平に実施して
確実に正確に採点して
およその基礎学力を測る
という意味ではかなりいい線いけてるテストで、

これに無理して記述を足す…英語のスピーキングを足す…といってもこれまでの実績あるセンター試験のよい部分を壊す以上のことはできないと思います。

記述とかスピーキングを「評価する」というのはブレや間違いから逃れられない、すぐれて人間臭い営みであって、仮にその部分を削ぎ落して単純化しようとすれば今度はほとんど記述だのスピーキングだのをわざわざみている意味がなくなるのがオチです。

そこいらへんのことをしたければやはりそれぞれの大学の視点で行うべきでしょう。英語なら、外部試験を利用する枠を設けてもいいし、独自試験をやってもいい。そして採点は自校の裁量と責任で行えばよろしい。アホな問題や採点で損をするのは自校です。真剣勝負です。

そんな明々白々のことを見失って迷走するんだから、よほど「大人の都合」があるのでしょうね。

(*) ベネッセ(GTEC)の場合、四技能試験にしては破格の安さで、人口密度の低い地域でも受験できるなど国の要望にも応えたかたちになっています。でも質を下げてモトをとることを目指しているというよりは、「広く」採算を取ろうとしている印象です。外部試験と記述採点を握っておけば以下略


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コメント (2)
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