前に「ドビュッシーはワインを美味にするか?」という記事の中で、
「いままで実験の対象となったすべての生き物のなかで、音楽の拍子に合わせて体を自然と動かすことができるとわかったのはオウムだけ」
という話を書いたのですが…
←言葉、そして音楽はどのように生まれたのか?
考えてみれば不思議な話です。オウム、つまり鳥類は人間からずいぶん遠い動物で、もっと人間に近いものといったらチンパンジーやゴリラなどですが、彼らは(そういう意味では)踊らないわけですからね。
それは、オウムなど一部の鳥が上手に音声を真似できる(オウム返し)のに対して、ゴリラやチンパンジーがそのような音声言語を持たないこととたぶん関係があります。
ゴリラは、ゴリラ同士豊富にコミュニケーションしてますし、手話を教えると対人間でもけっこう複雑なことまで「しゃべれる」のですが、音声言語の使い手にはなれません。そういうふうにはできていない。
では、鳥はどのくらい音声を言語として使っているのでしょう?
異性を探し、アピールするためのさえずりや、恐怖の感情から発せられる鳴き声ではなく…
意味を伝える「言葉」を?
ということで、たいへんおもしろい本が出ています:
「動物たちは何をしゃべっているのか?」(山極 寿一、鈴木 俊貴)
ゴリラ研究者(山極)とシジュウカラ研究者(鈴木)の対談です。
シジュウカラは、視界のきかない森の中でも意思疎通するため、いろんな声を出してイイタイコトを伝えています。
「敵が来た」にしても、「タカ」なら「ヒヒヒ」、「蛇」なら「ジャージャー」のように、複数の異なる音声が割り当てられています。タカと蛇では警戒の仕方が違うので、リーズナブルです。
また、「警戒しろ!」(ピーツピ)、「集まれ」(ヂヂヂヂ)という言葉も別にあって、この言葉をつないで「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と鳴くこともあります。これを聞かせると、実際に警戒しながら(スピーカーに)寄ってきます。
この場合、二つの単語(みたいなもの)をただ同時に使っただけなのか、「文法」があって組み合わされているのかが気になるところですが、人工的に
「ヂヂヂヂ・ピーツピ」
のように逆順にして流してみますと、反応しません。意味をなさなかったようです。これって「文法」があるということでは?
このこと自体おもしろいのですが、これだけで「文法」があるといっていいかどうか微妙だと考えた鈴木さんは、次にダメ押しの実験をします。
実験デザインのヒントになったのは、ルー大柴の「ルー語」。「寝耳にウォーター」みたいな、聞いたことない組み合わせなのに、文法的にちゃんとしたところにハマっているから、意味がわかってしまうという、あれです。シジュウカラと混群を作ることがある(お互い、相手の言語はしゃべらないが、何をいってるかはわかるらしい)コガラの言葉とシジュウカラ語を混ぜてみます。コガラ語で「集まれ」は「ディーディー」なので
「ピーツピ(シジュウカラ語で警戒しろ)・ディーディー(コガラ語で集まれ)」
すると、ちゃんと警戒して集まりました。これを逆に
「ディーディー・ピーツピ」
にするとやっぱり反応しない。
…すごいアイディア、すごい実験です。まだ続きがあるのでぜひ本で読んでみてください。
ともかく、こんな高度な言語を発達させた、鳥たち。しかし、人間の言語の発達というのは、それとは別系統で生まれたわけですから…(気が向いたらつづく)
あなたもシジュウカラ語をマスター(?)
シジュウカラ語を一撃で理解できる最強の動画
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
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という話を書いたのですが…
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それは、オウムなど一部の鳥が上手に音声を真似できる(オウム返し)のに対して、ゴリラやチンパンジーがそのような音声言語を持たないこととたぶん関係があります。
ゴリラは、ゴリラ同士豊富にコミュニケーションしてますし、手話を教えると対人間でもけっこう複雑なことまで「しゃべれる」のですが、音声言語の使い手にはなれません。そういうふうにはできていない。
では、鳥はどのくらい音声を言語として使っているのでしょう?
異性を探し、アピールするためのさえずりや、恐怖の感情から発せられる鳴き声ではなく…
意味を伝える「言葉」を?
ということで、たいへんおもしろい本が出ています:
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ゴリラ研究者(山極)とシジュウカラ研究者(鈴木)の対談です。
シジュウカラは、視界のきかない森の中でも意思疎通するため、いろんな声を出してイイタイコトを伝えています。
「敵が来た」にしても、「タカ」なら「ヒヒヒ」、「蛇」なら「ジャージャー」のように、複数の異なる音声が割り当てられています。タカと蛇では警戒の仕方が違うので、リーズナブルです。
また、「警戒しろ!」(ピーツピ)、「集まれ」(ヂヂヂヂ)という言葉も別にあって、この言葉をつないで「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と鳴くこともあります。これを聞かせると、実際に警戒しながら(スピーカーに)寄ってきます。
この場合、二つの単語(みたいなもの)をただ同時に使っただけなのか、「文法」があって組み合わされているのかが気になるところですが、人工的に
「ヂヂヂヂ・ピーツピ」
のように逆順にして流してみますと、反応しません。意味をなさなかったようです。これって「文法」があるということでは?
このこと自体おもしろいのですが、これだけで「文法」があるといっていいかどうか微妙だと考えた鈴木さんは、次にダメ押しの実験をします。
実験デザインのヒントになったのは、ルー大柴の「ルー語」。「寝耳にウォーター」みたいな、聞いたことない組み合わせなのに、文法的にちゃんとしたところにハマっているから、意味がわかってしまうという、あれです。シジュウカラと混群を作ることがある(お互い、相手の言語はしゃべらないが、何をいってるかはわかるらしい)コガラの言葉とシジュウカラ語を混ぜてみます。コガラ語で「集まれ」は「ディーディー」なので
「ピーツピ(シジュウカラ語で警戒しろ)・ディーディー(コガラ語で集まれ)」
すると、ちゃんと警戒して集まりました。これを逆に
「ディーディー・ピーツピ」
にするとやっぱり反応しない。
…すごいアイディア、すごい実験です。まだ続きがあるのでぜひ本で読んでみてください。
ともかく、こんな高度な言語を発達させた、鳥たち。しかし、人間の言語の発達というのは、それとは別系統で生まれたわけですから…(気が向いたらつづく)
あなたもシジュウカラ語をマスター(?)
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