カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

四十六冊目・『昏き復讐の楽器』

2018-05-14 21:51:50 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『昏き復讐の楽器』事件を解説してください。

 あいつの奏でる笛の音のせいで夜も眠れないとぼやいていた友人は、やがて電車に飛び込んだ。今度は俺の番だと怯えていた友人も、間を置かずビルの屋上から身を投げた。やがて、生前のあいつを面白半分で苛めていた最後の一人である俺にも聞こるようになったのは、喉の奥から吹き鳴らされるような、あいつが奏でる笛の音によく似た自分自身の呼吸音だった。
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