カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・平和の鳩の印章

2019-08-08 23:44:30 | 突発お題

「オリーブと言うと首飾りだな」
「言うと思った」
「昔はアレをオリーブさんの首飾りだと思っていたが、マジでオリーブの枝で作った首飾りだったんだ」
「日本じゃ昔はその辺に気軽に生えてる木じゃなかったからな」
「まあ手品のBGMだと覚えておけばいいか」
「言うと思った」
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骨董品に関する物語・アメジストの印章

2019-08-08 23:42:56 | 突発お題

 貿易商人だった父は商売用の他に小振りの印章を愛用していて、注意深く追わなければ読めない程に小さな文字で綴られた文章に気付いた相手と親しく付き合うようにしていた。勿論それは主不在の家を守りながら父を待つ母や、一年で数日しか父と会えない僕たち兄妹も含まれる訳だ。
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骨董品に関する物語・フリーメイソンの印章

2019-08-08 23:41:34 | 突発お題

 秘密結社の会員同士の手紙に相応しく羊皮紙の便箋と封筒に羽根ペンを使ったインクで古の符丁を多用しながら短い文章を綴る。同封するのは猫が映った写真を数枚、最後に注意深く垂らした蝋に印章を捺して切手を貼る。ちなみに内容は先日会報経由で譲渡してもらった猫の近況報告だ。
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