絡繰りアンティークを愛する集い、通称星屑倶楽部において数々の伝説を誇る名誉部長が九十八で大往生した晩。
殆ど全ての会員が、自分が所有している絡繰りがひとりでに動き出し、一動作分を行うと再び止まるのを目撃した。
きっと名誉部長が最期の挨拶に来たのだと納得する部員一同だったが、そうすると何故二人ほど絡繰りが動かなかったのかと疑問が残った。名誉部長は依怙贔屓をするような人ではないし、二人の部員も別に嫌われ者ではなかったのだ。
結局、謎が解けたのは葬式後に初めて行われた会合で、現部長が、名誉部長から預かったと二人に手紙付きの部品を渡した時だった。手紙には、これで持っているそれぞれの絡繰りを修理しろとあり、これによって名誉部長の最後にして最大の伝説が星屑倶楽部の歴史に記されることになった。
殆ど全ての会員が、自分が所有している絡繰りがひとりでに動き出し、一動作分を行うと再び止まるのを目撃した。
きっと名誉部長が最期の挨拶に来たのだと納得する部員一同だったが、そうすると何故二人ほど絡繰りが動かなかったのかと疑問が残った。名誉部長は依怙贔屓をするような人ではないし、二人の部員も別に嫌われ者ではなかったのだ。
結局、謎が解けたのは葬式後に初めて行われた会合で、現部長が、名誉部長から預かったと二人に手紙付きの部品を渡した時だった。手紙には、これで持っているそれぞれの絡繰りを修理しろとあり、これによって名誉部長の最後にして最大の伝説が星屑倶楽部の歴史に記されることになった。