8月の来日公演が決まった英プログレッシヴ・バンド=Van Der Graaf Generator(略してVDGG)
バンド結成は古く、1967年。中心メンバーはヴォーカルのピーター・ハミル。
スラリとしたハンサム青年ハミルのナル入った哲学的で内省的な歌詞、静と動を行き交うヴォーカルと、それに付随して変化する演奏隊の織り成す個性が、一部のプログレ・ファンから熱狂的に支持されたバンドである。
※本当は私のような人間は聴いちゃいけないのかも知れないが、好きなものは仕方ないのである
本来トム・ジョーンズ系の骨太ヴォーカルが好きな私からすると、当初ハミルさんの文学青年的なヴォーカルは線が細く感じたが
これが一旦ハマると堪らないのである。
結成直後、バンドはメンバーが定まらず
なんとか、68年に1stの「エアゾール・グレイ・マシーン(The Aerosol Grey Machine)」を発表。
68年ですから、サイケ入ったフォーク・ロック。
以降のアルバムとは趣が異なる1枚で、まだ個性は確立されていない。
しかし、後のVDGGらしさの発芽は聴き取れる。
01.「Afterwards」はリリシズム溢れるバラード調の佳曲で、
後年まで歌われ続ける「グループ第一歩の曲」。
09.「Necromancer」は後の混沌曲の原型が感じられる。
だいたい、こんな曲名を普通のバンドは付けない。
そして
キング・クリムゾンのデビュー・ギグでショックを受けた多くの英国ミュージシャンが「オレたちもヤらなきゃ!」と奮起した1969年。
VDGGもカリスマ・レーベルへ移籍し、独自で個性的な音楽を確立する。
ハミルの静と動を行き交うヴォーカルとアコースティック・ギター、ヒュー・バントンの教会音楽風のオルガンと、デヴィッド・ジャクソンのサックスやフルート、混沌サウンドでは変拍子を乱打するガイ・エヴァンスのドラムを核とした楽曲である。
テナーとアルト二本のサックスを同時に吹き鳴らすデヴィッド・ジャクソンの演奏は、ライヴでもサウンドの厚みを増すのに有効だったと言われる。
その音楽スタイルが見えたという意味では、YESに例えるとサードの「The Yes Album」に当たる(と私が思う)VDGGセカンド「精神交遊(The Least We Can Do Is Wave To Each Other)」(69年)は見逃せないアルバムだ。
そういや、私はYesのサード・アルバム大好きなんだよなぁ。
その後の黄金期で花開く芽や蕾が至るところに香っているから。
よって、VDGGセカンドも大好き。
1曲目の「Darkness」は、曲名通りの真っ暗な雰囲気の演奏から始まり、ハミルさんの歌が静かに重なり、
曲の盛り上がりと共にサックスとオルガンのアンサンブルが重層感を増し、ハミルの歌声も荒れ始め、クライマックスと共に全崩壊。
・・・もうVDGGスタイルです。
そして2曲目の「Refugees」。
1stのAfterwardsから引き継がれるリリシズム溢れるハミルの歌唱、クールで優しいフルートの音色、ジェントリーなチェロ、盛り上がりを支えるクラシカルで教会音楽的なオルガン。
堪りません。名曲です。
なお、カリスマレーベル代表のトニー・ストラットン・スミス氏は、この曲が大好きで
こういう曲をモノにしたグループを輩出した事は、さぞ嬉しかったでしょう。
3曲目の「WhiteHammer」も荘厳なオープニングと中間部の混沌としたインプロヴィゼーションの対比が絶妙な、これまた「もう一つのVDGGスタイル」。
静寂と混沌を行ったり来たりする展開が、後の「Man-erg」の原型とも言えるが、「WhiteHammer」はトランペット(というか、コルネット)の音色が室内音楽的な荘厳さを感じさせ、これはこれで別の聴き応えがあるのでした。
ああ、来日公演でこの辺の曲やってくれないかなぁ。
ジャクソン脱退したのならゲストで管楽器プレーヤー入れてさぁ・・・。
バンド結成は古く、1967年。中心メンバーはヴォーカルのピーター・ハミル。
スラリとしたハンサム青年ハミルのナル入った哲学的で内省的な歌詞、静と動を行き交うヴォーカルと、それに付随して変化する演奏隊の織り成す個性が、一部のプログレ・ファンから熱狂的に支持されたバンドである。
※本当は私のような人間は聴いちゃいけないのかも知れないが、好きなものは仕方ないのである
本来トム・ジョーンズ系の骨太ヴォーカルが好きな私からすると、当初ハミルさんの文学青年的なヴォーカルは線が細く感じたが
これが一旦ハマると堪らないのである。
結成直後、バンドはメンバーが定まらず
なんとか、68年に1stの「エアゾール・グレイ・マシーン(The Aerosol Grey Machine)」を発表。
68年ですから、サイケ入ったフォーク・ロック。
以降のアルバムとは趣が異なる1枚で、まだ個性は確立されていない。
しかし、後のVDGGらしさの発芽は聴き取れる。
01.「Afterwards」はリリシズム溢れるバラード調の佳曲で、
後年まで歌われ続ける「グループ第一歩の曲」。
09.「Necromancer」は後の混沌曲の原型が感じられる。
だいたい、こんな曲名を普通のバンドは付けない。
そして
キング・クリムゾンのデビュー・ギグでショックを受けた多くの英国ミュージシャンが「オレたちもヤらなきゃ!」と奮起した1969年。
VDGGもカリスマ・レーベルへ移籍し、独自で個性的な音楽を確立する。
ハミルの静と動を行き交うヴォーカルとアコースティック・ギター、ヒュー・バントンの教会音楽風のオルガンと、デヴィッド・ジャクソンのサックスやフルート、混沌サウンドでは変拍子を乱打するガイ・エヴァンスのドラムを核とした楽曲である。
テナーとアルト二本のサックスを同時に吹き鳴らすデヴィッド・ジャクソンの演奏は、ライヴでもサウンドの厚みを増すのに有効だったと言われる。
その音楽スタイルが見えたという意味では、YESに例えるとサードの「The Yes Album」に当たる(と私が思う)VDGGセカンド「精神交遊(The Least We Can Do Is Wave To Each Other)」(69年)は見逃せないアルバムだ。
そういや、私はYesのサード・アルバム大好きなんだよなぁ。
その後の黄金期で花開く芽や蕾が至るところに香っているから。
よって、VDGGセカンドも大好き。
1曲目の「Darkness」は、曲名通りの真っ暗な雰囲気の演奏から始まり、ハミルさんの歌が静かに重なり、
曲の盛り上がりと共にサックスとオルガンのアンサンブルが重層感を増し、ハミルの歌声も荒れ始め、クライマックスと共に全崩壊。
・・・もうVDGGスタイルです。
そして2曲目の「Refugees」。
1stのAfterwardsから引き継がれるリリシズム溢れるハミルの歌唱、クールで優しいフルートの音色、ジェントリーなチェロ、盛り上がりを支えるクラシカルで教会音楽的なオルガン。
堪りません。名曲です。
なお、カリスマレーベル代表のトニー・ストラットン・スミス氏は、この曲が大好きで
こういう曲をモノにしたグループを輩出した事は、さぞ嬉しかったでしょう。
3曲目の「WhiteHammer」も荘厳なオープニングと中間部の混沌としたインプロヴィゼーションの対比が絶妙な、これまた「もう一つのVDGGスタイル」。
静寂と混沌を行ったり来たりする展開が、後の「Man-erg」の原型とも言えるが、「WhiteHammer」はトランペット(というか、コルネット)の音色が室内音楽的な荘厳さを感じさせ、これはこれで別の聴き応えがあるのでした。
ああ、来日公演でこの辺の曲やってくれないかなぁ。
ジャクソン脱退したのならゲストで管楽器プレーヤー入れてさぁ・・・。