71年発表の4th。VDGGの最高傑作とする人も多い。
ただし、私は前作でギリギリ守っていた一線を越えた「奇作」だとも思っている。
ある意味、あっち側に行っちゃってます。常人の作る音楽じゃありません。
収録も全3曲です。そんな長尺なソロを聴かせるバンドじゃないのに、1曲1曲が全部長いんです。
アナログ時代はB面1曲です。
1. Lemmings (Including Cog)
2. Man-Erg
3. A Plague Of Lighthouse Keepers (Medley)
ベースのニック・ポッターが抜けて、ベース部分はオルガンのヒュー・バントンが兼任しているのですが。
ドッシリと低音を支える専任ベーシストが抜けて、なんか不安定感が増したというか。音が地面から解き放たれてしまいました。
スペイシーな導入部から始まる「Lemmings」。美しいハミルの裏声ヴォーカル。
しかし一転してヒステリックに乱れ暴走するダミ声ハミル。
興奮を煽るドラム、オルガンの低音が不安感を煽り、空間を切り裂くサックス…。
最後はキーボードがメロディとは言えない音を発しながら延々と浮遊して、ドラムスの5連打で終了。
な、なんなんだコレは・・・。
そして名曲「Man-Erg」。
美しいピアノの前奏、高貴なハミルの歌声、バックを彩る教会風のオルガン・・・
「ああ、Refugeesの系譜に位置する耽美系のバラードだぁ」と天にも昇る気でいたら、一気に曲は盛り上がり
ハミルさんの声色がパワフルに変わる。
そして美しいピアノと歌声と荘厳なオルガン曲に戻る。
そしてまた盛り上がる。
浮遊するサックスソロと教会風オルガン。
ここまでは常識の範囲内。
天空から降りてくる叫び声のようなサックスの高音域が耳を貫き、ブチ切れたユニゾン演奏が炸裂する。
オルガンは暴れ回り、ハミルは叫ぶ。
混沌。狂気。そんな言葉が頭に浮かぶ。
そして再び美しき「静」のパート。
高らかな歌声、荘厳なコーラス、美しき伴奏が響き渡るクライマックスに、再び中盤の邪悪な演奏が交錯し、劇的にヴェートーベン的なエンディングで崩壊しながら音が散っていく様は、感動的ですらある。
最初は、その狂気に気圧されてしまったが、いまでは畏敬の念を持って「名曲」と言える壮絶ソングです。
そして、最後の「A Plague of Lighthouse Keepers」。
23分の大作。
ハープシコードを擦るような音を重ねたイントロ、これまた浮遊するような演奏をバックに崇高に歌い上げるハミルの声。
違和感なく組曲を繋いで大作として、これまた何かを超越した清々しさが曲に満ちている。
この時、ピーターハミルは20代の前半。
仲間にも恵まれたとはいえ、恐ろしい作品を作り上げたものだ。まさに鬼才、奇才の本領発揮。
こんなアルバム作った日にゃあ、そりゃバンドには「やる事」が残りません。
69年の2ndアルバムから、凄まじい加速度でバンドのエネルギーが膨張を遂げて、わずか3年で飽和の限界を突き破り、芸術と狂気の一線を越えてしまったのですから・・・。
そんな訳なのか
バンドは一旦解散します。
1971年という輝かしいロック黄金期にVDGGは一度シーンから姿を消してしまうのです。
他のバンドが73年あたりでマンネリ化、76年で行き詰まり・・・という道を歩む中、
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターは、やはり孤高の存在としてファンの記憶に残る事になったのです。
ただし、私は前作でギリギリ守っていた一線を越えた「奇作」だとも思っている。
ある意味、あっち側に行っちゃってます。常人の作る音楽じゃありません。
収録も全3曲です。そんな長尺なソロを聴かせるバンドじゃないのに、1曲1曲が全部長いんです。
アナログ時代はB面1曲です。
1. Lemmings (Including Cog)
2. Man-Erg
3. A Plague Of Lighthouse Keepers (Medley)
ベースのニック・ポッターが抜けて、ベース部分はオルガンのヒュー・バントンが兼任しているのですが。
ドッシリと低音を支える専任ベーシストが抜けて、なんか不安定感が増したというか。音が地面から解き放たれてしまいました。
スペイシーな導入部から始まる「Lemmings」。美しいハミルの裏声ヴォーカル。
しかし一転してヒステリックに乱れ暴走するダミ声ハミル。
興奮を煽るドラム、オルガンの低音が不安感を煽り、空間を切り裂くサックス…。
最後はキーボードがメロディとは言えない音を発しながら延々と浮遊して、ドラムスの5連打で終了。
な、なんなんだコレは・・・。
そして名曲「Man-Erg」。
美しいピアノの前奏、高貴なハミルの歌声、バックを彩る教会風のオルガン・・・
「ああ、Refugeesの系譜に位置する耽美系のバラードだぁ」と天にも昇る気でいたら、一気に曲は盛り上がり
ハミルさんの声色がパワフルに変わる。
そして美しいピアノと歌声と荘厳なオルガン曲に戻る。
そしてまた盛り上がる。
浮遊するサックスソロと教会風オルガン。
ここまでは常識の範囲内。
天空から降りてくる叫び声のようなサックスの高音域が耳を貫き、ブチ切れたユニゾン演奏が炸裂する。
オルガンは暴れ回り、ハミルは叫ぶ。
混沌。狂気。そんな言葉が頭に浮かぶ。
そして再び美しき「静」のパート。
高らかな歌声、荘厳なコーラス、美しき伴奏が響き渡るクライマックスに、再び中盤の邪悪な演奏が交錯し、劇的にヴェートーベン的なエンディングで崩壊しながら音が散っていく様は、感動的ですらある。
最初は、その狂気に気圧されてしまったが、いまでは畏敬の念を持って「名曲」と言える壮絶ソングです。
そして、最後の「A Plague of Lighthouse Keepers」。
23分の大作。
ハープシコードを擦るような音を重ねたイントロ、これまた浮遊するような演奏をバックに崇高に歌い上げるハミルの声。
違和感なく組曲を繋いで大作として、これまた何かを超越した清々しさが曲に満ちている。
この時、ピーターハミルは20代の前半。
仲間にも恵まれたとはいえ、恐ろしい作品を作り上げたものだ。まさに鬼才、奇才の本領発揮。
こんなアルバム作った日にゃあ、そりゃバンドには「やる事」が残りません。
69年の2ndアルバムから、凄まじい加速度でバンドのエネルギーが膨張を遂げて、わずか3年で飽和の限界を突き破り、芸術と狂気の一線を越えてしまったのですから・・・。
そんな訳なのか
バンドは一旦解散します。
1971年という輝かしいロック黄金期にVDGGは一度シーンから姿を消してしまうのです。
他のバンドが73年あたりでマンネリ化、76年で行き詰まり・・・という道を歩む中、
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターは、やはり孤高の存在としてファンの記憶に残る事になったのです。