そしてバンドは進化を続け
1970年にサードアルバム「天地創造(H To He,Who Am The Only One)」を発表。
1曲目は「Killer」。
割と分かりやすいサックス・リフとユニゾンするハミルさんのヴォーカルも常軌を逸しない範囲で個性を発揮。
演奏はスリリングで、オルガンの重い独特の音色や、オカズ炸裂ドラムにも参りました。
このオープニングソングのお陰で、「H To He...」は私にとって格好のヴァンダーグラーフ入門編となったのでした。
そして2曲目「House With No Door」。
「Afterwards」や「Refugees」の系譜を継ぐリリシズム溢れるバラード。
ピアノのイントロ、後半のサビで聴かれるハミルの裏声、中間部の美しく優しいフルート・ソロ。
詩も一聴して分かる、救いようのない孤独、どん底の暗さ。美しいほどの。
これも、ある意味わかりやすい秀曲。
3曲目の「The Emperor In His War Room」では、ロバートフリップがゲスト参加。
当時エレクトリック・ギターを使ってなかったハミルの代わりに後半のギターソロを聴かせる。
※これがロングトーン絡めまくりの「いかにも」なソロで。フリップさんのファンは必聴です。
4曲目の「LOST」は10分を越える重々しい大作だが、途中で暴れ出す演奏隊の分裂気味な音色が胸に痛い。
終盤「I love you」と繰り返すハミルの悲痛な叫び。
「I Love you」と歌うのがここまで似合わない歌い手がいるだろうか。
「LOST」という曲名からして、
愛する相手が去った「失恋ソング」と思わせるが、それをここまで高貴に大仰に歌い上げ、演奏で盛り立てるのは凄い。
ただし、ハミルさんの場合の「You」は自分の中に居るもう一人の自分だったりするから始末が悪い。
VDGGの曲はハミルの自己対話ソングが大半・・・って気がします。
5曲目は「Pioneers Over C 」
「Sea」ではなく「C」。いかにもVDGGな言葉選びという気がします。
SFチックだなと思って歌詞を見たら宇宙での話で。
1983年に宇宙へ飛び立ち、銀河と1000の星を眺めた「私」。
しかし、「私」は落ちて行く。空へ。地球へ。地表へ。
Somebodey Help me
――ああ
またしてもブラッドベリ的な世界・・・。
「私」は宇宙飛行士か。それとも宇宙船そのものか。
宇宙空間を浮遊するような演奏、終末を迎える「私」の精神状態のような不安定さ、不気味なカオス。
歌唱も演奏も崩壊寸前ながらギリギリの一線は守り
それは、このアルバム全体の印象にも繋がる。
アヴァンギャルドでも無いし、ジャズロックでも無いし、シンフォニックロックでも無い。
荘厳でVDGG以外は作り出せない世界、楽曲群。
技巧的にも無理をせず、出来る範囲で独創的な作品を作り上げる。
2ndアルバムで見せたVDGGスタイルを確立した1枚と言えるでしょう。
1970年にサードアルバム「天地創造(H To He,Who Am The Only One)」を発表。
1曲目は「Killer」。
割と分かりやすいサックス・リフとユニゾンするハミルさんのヴォーカルも常軌を逸しない範囲で個性を発揮。
演奏はスリリングで、オルガンの重い独特の音色や、オカズ炸裂ドラムにも参りました。
このオープニングソングのお陰で、「H To He...」は私にとって格好のヴァンダーグラーフ入門編となったのでした。
そして2曲目「House With No Door」。
「Afterwards」や「Refugees」の系譜を継ぐリリシズム溢れるバラード。
ピアノのイントロ、後半のサビで聴かれるハミルの裏声、中間部の美しく優しいフルート・ソロ。
詩も一聴して分かる、救いようのない孤独、どん底の暗さ。美しいほどの。
これも、ある意味わかりやすい秀曲。
3曲目の「The Emperor In His War Room」では、ロバートフリップがゲスト参加。
当時エレクトリック・ギターを使ってなかったハミルの代わりに後半のギターソロを聴かせる。
※これがロングトーン絡めまくりの「いかにも」なソロで。フリップさんのファンは必聴です。
4曲目の「LOST」は10分を越える重々しい大作だが、途中で暴れ出す演奏隊の分裂気味な音色が胸に痛い。
終盤「I love you」と繰り返すハミルの悲痛な叫び。
「I Love you」と歌うのがここまで似合わない歌い手がいるだろうか。
「LOST」という曲名からして、
愛する相手が去った「失恋ソング」と思わせるが、それをここまで高貴に大仰に歌い上げ、演奏で盛り立てるのは凄い。
ただし、ハミルさんの場合の「You」は自分の中に居るもう一人の自分だったりするから始末が悪い。
VDGGの曲はハミルの自己対話ソングが大半・・・って気がします。
5曲目は「Pioneers Over C 」
「Sea」ではなく「C」。いかにもVDGGな言葉選びという気がします。
SFチックだなと思って歌詞を見たら宇宙での話で。
1983年に宇宙へ飛び立ち、銀河と1000の星を眺めた「私」。
しかし、「私」は落ちて行く。空へ。地球へ。地表へ。
Somebodey Help me
――ああ
またしてもブラッドベリ的な世界・・・。
「私」は宇宙飛行士か。それとも宇宙船そのものか。
宇宙空間を浮遊するような演奏、終末を迎える「私」の精神状態のような不安定さ、不気味なカオス。
歌唱も演奏も崩壊寸前ながらギリギリの一線は守り
それは、このアルバム全体の印象にも繋がる。
アヴァンギャルドでも無いし、ジャズロックでも無いし、シンフォニックロックでも無い。
荘厳でVDGG以外は作り出せない世界、楽曲群。
技巧的にも無理をせず、出来る範囲で独創的な作品を作り上げる。
2ndアルバムで見せたVDGGスタイルを確立した1枚と言えるでしょう。