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第89回 日本選手権水泳競技大会を振り返る④

2013年04月23日 | 競泳
女子1500m自由形は、藤野舞子が優勝。
キャリアの長い選手だけに感慨深い。


男子800m自由形も、ベテラン山本耕平が優勝。
地元選手だけに、会場には横断幕が何枚も見られ、「地元って有難いなぁ」と他人事ながら思った。


男子100mバタフライも、ロンドン五輪メンバー藤井拓郎が優勝。
まだまだ頑張っている。


女子200mは、金藤理絵(Jaked)が2分23秒11で優勝。2位はロンドン五輪メダリストの鈴木聡美(ミキハウスY)、3位は今井月選手(本巣SS)。
なんと、今井は中学1年生になったばかりの12才!!。体つきも顔も幼い今井が鈴木と際どい勝負するんだから驚いた!

長らく第一人者と言われた金藤だったが、ロンドン五輪選考会で破れて出場を逸し、今回は期するものがあったであろう大会。インタビューでは込み上げるものを押さえてた感じだった。

一気に注目が集まった今井だったが、平井コーチは「あまり騒がないで欲しい」とコメント。
ロンドン五輪前に「岩崎恭子の再来!」と騒がれながら成績は振るわず、今回のレースでも決勝に進めなかった渡部香生子(JSS立石)を例に出し、「渡部も素質ある選手だがプレッシャーに萎縮してしまった。そっと成長を見守って欲しい」と続けた。

その渡部は、なんと予選で敗退。
レース後のインタビューでは涙涙で喋るのが精一杯だそうな。
若いだけに、なんとか復調してほしい。

いっぽう、今井に関してはメディアは期待を示したが、ネットなどでは「月と書いてルナ!」という名前に注目が集まっている印象。
そういう意味では「ホッ」と致しました。


女子100mバタフライは、星奈津美(スウィン大教)が58秒53の自己ベストで、この種目で初優勝。2冠達成。
2位は加藤ゆか(東京SC)。


女子200m背泳ぎは、赤瀬紗也香(日本体育大)が2分09秒37で初優勝。


女子50m自由形は、松本弥生(日体大大学院)が上田春佳(キッコーマン)をかわし25秒46で優勝。


男子200m平泳ぎは、世界記録保持者の山口観弘(志布志DC)が2分09秒31でゴール。2位に2秒近い大差をつける優勝だった。
山口は派遣標準記録を突破し、世界選手権代表に内定。

以下、山口のコメント
「世界新を出したときよりも今日勝ててうれしかった。ホッとしました。バルセロナでは200mで金メダルを目標に頑張る。今回のタイムには納得していない。周りは世界記録を期待していたと思うが、なかなか出るものではない。これまでで一番つらい日本選手権だったが、たくさんの人にサポートしてもらえてすごく感謝している。世界選手権で自己ベストを狙いたい」


そして注目の200m背泳ぎ。
100mでは萩野に敗れた入江だったが、得意の200mでは第一人者の意地を見せた。
序盤から快調に飛ばしてリード、萩野が持ち味のバサロキックで抜いてきても、残り50メートルのスイムで突き放し、萩野とのデッドヒートを制した。

敗れても萩野は派遣標準記録を突破し、入江とともに同種目の世界選手権代表に内定。
萩野は今大会すべて派遣標準記録を切ったため、6種目で代表に内定している(400メートル個人メドレーはロンドン五輪銅メダルを獲得したため自動内定済み)。

やっぱり200m背泳ぎが印象深かったなぁ。
本人はどう思っているか分からないが、そのキャリアにて入江は良い勝負に恵まれている。

国内では、アテネ五輪銅メダリスト森田智己に挑む形で台頭、
世界では、帝王アーロン・ピアソルに挑戦。
ピアソル引退後もロクテという強敵と戦う事になった。
ロンドン五輪200m背泳ぎでロクテに勝っても、1位にはクレアリーが滑り込み、「世界には強豪がゴロゴロいる」とファンは思い知った。
さらに、萩野の台頭で後輩に追われる立場にもなった。

やはり、今後も目が離せない選手だと思う。
今大会は萩野ばかりが目立った選手権となったが、
最後、私は入江の勝負師っぷりに感じ入った。(本人は「タイムが遅い」と不満だったそうだが)

今後、大きな世界大会で、ましてや五輪で金となったらドラマチックこの上ない状況だ。
むしろそう捉えてほしい。
頑張れ入江!