スリバチ・フィールドに初めて参加。最近は一人で街歩きをするか、集団を引率して街歩きをすることが多いので、集団に入って連れて行って貰うのは久々。ただ今回の場所は、知ってるところが大半だったので、初参加なのにところどころでしゃばってしまいました(ちと反省。)。
市谷長延寺町の谷
一人で街歩きをしていると、ペースが自分勝手になる。写真を撮るために長居をしたり、説明看板を読んだり鑑賞したりして時間が掛かるかと思えば、行きたい場所まであたふた歩くことも。階段をチェックして回る時は、事前に地図で確認してから行くので、ほとんどオリエンテーリング状態。ここに行って、次は3つ先の角を曲がって、その次は隣町まで歩いて、という調子で、今日はいくつ回れるかな?、などと思いながら、ぜいぜいはあはあ歩いていたりする。そういう時は、あまり途中の景色は見ていない。遠くに面白そうな建物が見えてしまって、道草を食いたくなることはままあるのだが、見なかったことにして階段チェックに集中することもある。もちろん普段の街歩きは最終目的地も全く決まっていない徒歩行が多い。昼頃には予想もしなかったところで日没を迎え、体の方も電池切れを迎え、妙なところでお茶をすることもしばしば。当初予定の場所にたどり着かず、つくづく計画性がないなぁと反省したりもする。
中根坂
今回は、集団での街歩きで、かつ授業のような時間制限がさしてあるわけではないためか、割合にゆったりと味わう感じ。授業で引率者になっていると、行程に責任を持っている感じになり、諸々のことが気になって、写真を撮る余裕なんて全くない。だから参加者で居られるのは正直言って気楽だ。
調査モードになっていると、目先の調査に集中していることもあって、頭の中が空っぽになっている。流れに任せてゆったりブラブラ歩いていると、意外に考え事をすることができるということに改めて気づいたのも収穫だったかもしれない。
市谷柳町
一日、終了してみて、いろいろ考えたことは多い。一つ気が付いたのは、自分の頭の回転が街歩きの仕方によって様々に異なってくること。
一人で街歩きをしていると、いろいろと自問自答する。次から次へと考え事が出てきて、気の赴くままに考え続けることができる。他者から影響を受けず、集中することができるのは、一人歩きのメリットだろう。だが自分の中に、いくつかの立場を上手く設定しないと、考えがすぐに行き詰まってしまいそれで終わり。
後輩と街歩きをしていると、8割方は教える事に終始する。しかし時々、こちらが想定していなかったような、初歩的だが根源的な問いかけを受けることがあり、自分が知らなかったことが多いこと、そして、考えているようで実は大して考えていなかったことに気づく。自分の中で、次第に話のマニュアルや想定問答集のようなものができて、ルーティン化が進み、あるレベル以上思考が深化しなくなるのがやや問題。
今回のように、多様な趣味嗜好を持っている方々の集まりに参加してみると、まちあるきにはいろいろあるんだなぁと思い直す。まず、見ているモノ(対象)が違う。スリバチというお題目通り、地形については大方が反応しているのだが、そこにプラスされるものが何であるかは、ほぼバラバラ。申し訳ないが私などはあまり関心がないものを、一所懸命に撮っている姿などをぼんやり眺めていると、興味や関心を共有するのはなかなか難しいことなのかもしれないなぁとも思う。
だが、少し異なる視点から、同じものを見る時に、様々な反応があるというのは、非常に参考になる。一人だと考えがすぐに行き詰まってしまうが、他者の視点から考え直してみると、意外にクリアになることも多い。三人寄ると文殊の知恵というわけで、他者からの刺激は重要であり、意見交換とか議論はやはり必要だ。
だが、クールに突っ込んだ議論をするのはなかなか難しい。ゾーンに入るテクニックを徐々に身につけたいと思う。
#地形