都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

山城園/大和屋本店

2009-11-22 | 港区   
山城園・土井邸
所在地:港区白金台4-8-4
建設年:1928(昭和3)
構造・階数:木・3
Photo 1994.11.30

 目黒通り沿いに建っていた昭和初期の乾物屋。通りの拡幅に伴い建て替えられ解体された。現在、この建物の部材類は小金井にある「江戸東京たてもの園」で保管されている。近々再建され、デ・ラランデ邸などと共に公開予定(2010年以降)とのことだ。注)

 3階建てで背が高い建物なのが印象的だった。正面から見ると間口がさほど無く、ひょろっと背が高くプロポーションがやや妙な感じ。わきから見ると3階建てになっているのは前面の店舗部分のみで、これもちょっと不思議な姿形だ。全体としては下見板張りの出桁造り町屋、2階と「鰹節」の文字が付けられた3階の窓台下あたりは銅板張り。下層部は合成繊維シート貼りの看板庇が付けられたり、自販機で隠されている部分があったが、復元に際してそのあたりがどうなるか興味深い。

 目黒通りは、1995(H7)年度〜2001(H13)年度に、17mから27mへ拡幅され、同時に電線の地中化も行われたという。東京メトロ南北線の建設工事も1991年(H3)〜2000年(H12)に行われていて、この頃この界隈の様子は大きく変わったようだ。上の写真でも左奥の建物は既に建て替えられて後退している。このように廃業とか老朽化とは別に、道路拡幅によって建物が解体されるケースも意外にある。拡幅が事業化されるのを待って建て替えることも多く、道路予定地では逆に道路建設の直前まで古い建物が残っていることもある。

 なお、山城園というお店はビルになって現在も同所で営業している。

参考HP
Wikipedia > 江戸東京たてもの園
東京都建設局 > 東京都第一建設事務所 道路整備事業

 また、この建物は下記の本にも掲載されている。

「東京人」2008年5月号、都市出版株式会社、p.66
「下町や東京昭和遠ざかる」村岡秀男著、彩流社、2007、p.68

 注)江戸東京たてもの園で、2010年から復元工事が行われ、2011年に大和屋本店(乾物屋)として完成し、2011年9月から公開されている。私が写真を撮った頃は山城園というお店になっていたが、当初は大和屋本店という名だったようだ。

江戸東京たてもの園復元建造物 ただいま建築中東ゾーン
Tokyo Lost Architecture
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コメント (3)
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