都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

静岡市立児童会館

2009-12-10 | 静岡県  

 駿府公園内には静岡市立の児童会館という施設があった。駅南の市街地再開発で静岡科学館ができる少しまでは存続していたようだ。改めて調べてみたら、児童会館は1973年から2003年までの30年間存在していたそうで、私が小学生の頃はまだ完成間もない時期だったことを今頃になって知った。(注:当初は県の施設として開館したそうで、そこから数えると50年近く存続していたという。)

 児童会館であるからして、中学生になると訪れる機会が全然なくなったが、小学生の頃には時々遊びに行ったりした記憶がある。

児童会館
開館:1957(昭和32)
閉館:2003(平成15)11.9
構造・階数:RC・3F、屋上に天体望遠鏡ドーム有
備考:当初は県の施設として開館、1973(昭和48)に市に移管
Photo 1997.5.4(こどもの日の前日なので、ベランダにこいのぼりが飾られている。)

 玄関を入ったところにロボット人形があって、人の通過を検知すると挨拶をしていた。こんにちはとか言って、目が光ったり手や胴体がちょっと動いたりしたような・・・。あと入館記念のハンコを押してくれるロボットも一時はあったような。でもAIBOなんていうすごいロボットが市販されたりもする現在から考えると、当時のロボットなんて子供だましみたいなものだ。赤外線センサーで検知して、モーターで体を動かす。音声合成なんていう高度な技術はないので、音声ROMに録音された声を再生していたそうだ。小学校高学年になると、子供でもなんとなくそのへんは分かってしまった。展示物は当時既に少し時代遅れになりつつあったのかもしれない。なんとなく見せ物小屋的ないかがわしさだった。

 他の展示の大半は忘れてしまっていた。だが科学系の展示で、鉄球が転がるものはなんとなく覚えていた。細いレールの上を鉄球が転がり落ちるだけのもので、鉄球のジェットコースターみたいなものだが、螺旋状のレールや宙返りレールをハイスピードで鉄球が駆け抜けたり、玉が空中を跳んで別のレールに移ったりするのは、サーカスのようで見ていて飽きなかった。

 内部の様子を忘れてしまっていたので、HP検索をしてみたところ、閉館直前の様子のレポートなどがあった。

静岡大学(生涯学習教育研究センター 演習レポート)
    > 静岡市立児童会館(1999年作成)
静岡市の風景 > さようなら静岡市立児童会館

 上記HPに記された中で、歪んだ鏡や強力磁石は記憶の片隅にあって写真を見たら記憶が蘇ってきた。だがテレビ電話やパソコン、形状記憶合金、液晶シャッターなどは全て、私が小さい頃には世の中に存在しなかったものであり、当然児童会館にも展示されてはいなかった。私が遊びに行っていた70年代半ばにはいったい何が展示されていたんだろうと思ってしまう。

 そういえば鉄道模型は昔もあった。他の博物館などで見た記憶と混乱してしまっていたが、写真を見たら思い出してきた。無人での展示物なので細かいコントロールはできなかったが、意外に大きな展示だった。ボタンを押すとしばらくのあいだスーッと模型の列車が走る。スピードコントロールはできないし、一定の時間が経つと橋の上だろうがトンネルの中だろうが止まってしまう。ガラスの向こう側で触れないのと、動きをコントロールできなかったのがやや残念だった記憶がある。でも当時の地方都市ではなかなか鉄道模型を見る機会は無かったので、高揚感があったのは事実だ。

野外展示されていたD51
Photo 1997.5.4

 10年ぐらい前に撮った写真を見たら、建物北側の片隅に蒸気機関車が展示されていた。何度か運転台に上った記憶はあるが、動かないこともあってか、さほどの感動はなかった気がする。そもそも蒸気機関車があったことさえうろ覚えだった。当時も今も、外見を見るのは好きだが運転するのにはさして興味がない。閉館と共になくなったと思っていたD51だが、こちらは市内の城北公園に移設されているそうだ。

各地の保存車両 > 静岡県 静岡市

 小学3年か4年の頃、同級生と一緒に、日曜に体験イベントに参加したこともあった。角材や板が提供され、のこぎりや金槌を使って、小さな踏み台のようなものを造った。完成したそれを自宅に持ち帰り、両親に見せ、座ってくれと頼んだが、いざ父親が座ったらあえなく潰れて壊れてしまった。その頃の私の体重なら潰れなかったのだが、子供がちょっと釘で打ち付けた程度の踏み台では、大人の体重を支えるのはやはり無理があったのだった。半日がかりで造った踏み台があっけなく壊れてべそをかいた記憶がある。幼かったのだなぁと、なぜか今でも思い出す。児童会館は私にとってはそういう記憶の場所だ。

 そういえば、屋上には天体望遠鏡ドームもあった。休日の昼間にたまたま遊びに行ったところ、金星が望遠鏡で見えているとのアナウンスがあり、屋上に設置された大きな望遠鏡を覗かせて貰った記憶がある。白っぽい視野の中に、ひときわ明るく光る小さな点が見えていた。金星は明るいので、それなりの望遠鏡を使えば昼間でも見える。天文少年でもあり、雑誌で天体写真もいろいろ見ていたが、実際に見るのは初めてだったのでやはりちょっと感動した。でも有名な天体望遠鏡で撮った写真とは違って、ぼんやりとした点ぐらいにしか見えなかったのにはちょっとがっかり。市販の家庭用望遠鏡よりは遙かに大きなものなのに、この程度なのか・・・。いま考えると、それは当たり前なのだが、当時はいろいろ期待を抱いていたわけで、現実は異なるのだなぁと思った記憶もある。

2010.01.13 追記
コメント欄にもあるように「あおい君」様から開館時期について御指摘がありました。そこで開館時期等の情報等を訂正しました。

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#失われた建物 静岡県  #鉄道 
コメント (8)
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