スリバチ学会フィールドワークに約半年ぶりに参加。実は、板橋区の階段はまだ大半が未踏破。今回は成増周辺のスリバチを巡ると聞き、事前の地図調査もあまりせず、とりあえずついて行くことに。
板橋区北部は武蔵野台地の北端部で、荒川沿岸の高島平方面へ向かう斜面が東西に続いている。従って概ね北方向にいくつかの小河川が流れており、更にそれら小河川へと流れ込む、場合によっては名もない小川がいくつもある。ほとんどの川は既に暗渠になってしまっていて、その暗渠のすぐそばまで住宅が建ち並んでいる。支流の小川はかなり小さな谷で、その幅が100m以下のものもある。
赤塚5丁目の雁行階段
所在地:板橋区赤塚5-7-9 Google Map
段数 :15段(下3段・上12段)
Photo 2010.9.25
写真の階段は、谷を横切る道から谷底の住宅地へと下りるもの。幅が狭いわりに急激に落ち込む谷だからか、車両交通の利便性を考えて道路部分は盛り土がされ、まるでダムのように谷を横切る道が造られている。
道路に斜めに取り付く形で二つの階段が雁行しているのが面白い。写真左側の住宅の玄関が、いわゆる堤防部分に近いためかもしれないが、詳細な理由は不明。この道が公道かどうかも未調査のため不明。地下に下水道が通っているようなので、下水道局管理の暗渠上道路かもしれない。その地下水路の関係で屈折型になっている可能性も考えられる。
下方の平場の長さを確保しようとして、階段を二つに分けたようだ。進行方向と段々の向きが異なる「シフトタイプ」の階段にされていないので、歩きやすい。
手摺がないのも特徴。最近はユニバーサルデザインとか安全の観点から、私道の場合でも自治体が補助を出したりして手摺が付けられる。都心の階段の8割以上には何らかの形で手摺が付けられているだけに、出っ張り型の階段において全く手摺がないのは珍しいとさえ言える。
#階段・坂 板橋区