都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

Canon Powershot S10

2017-01-17 | 写真・カメラ

 初めて買ったデジタルカメラ。今、考えてみると、いろいろな面で旧式だったのだなと思う。
 大学で助手をやっていた時だったので、都市景観調査用に研究費を使って購入した。でなければ、当時9万円程度したコンパクトカメラなどは買う気になれなかった。だが、研究調査報告書の作成には、デジカメはパソコンとの親和性が高く非常に便利で、この頃から急速に利用が拡大していたものだった

Canon Powershot S10(1999発売 2000.2購入)
キヤノンカメラミュージアムPowershot S10

 景観調査的には例えば、写真の中に緑が占める率を調べる緑視率調査をする時に、街路樹や公園の緑を画面上で選択してピクセル数をカウントすれば、総ピクセル数に占める率を簡単に計算できるわけで、それまでよりも正確にかつ大量に調査することが可能になった。そういうことが高額な研究機械を使わなくても、市販のデジカメでできるようになったというのが素晴らしいなぁとつくづく思ったものだ。

 ただ昔のコンパクトデジカメには、今のものに較べると、かなり劣る点もやはり少なからず存在していた。

・コンパクトカメラにしては重い。バッテリーを除くと270gだが、バッテリーが大きく重い。
・電池の持ちが悪い。専用バッテリーの予備を必ず持ち歩くのでよけい重い。
・画素数が少ない。約200万画素(Largeで1,600×1,200pixels)
・画質、色合いが今ほど良くない。解像感が低い。
・ISO感度100、200、400で撮れるが、きれいに撮れるのはISO100だけで、感度を上げるとノイズが激しくなる。
・液晶画面が小さく(1.8inch)、表示画質も今ほどよくない。

 その後、どんどんこれらの点が改良されていったことは御存知の通り。だが、新機種が出てもすぐに買えるわけではないので、このカメラも2年ほどは使った。たった2年であっという間に古びた感じになってしまったのには驚いたし、少々もったいなく残念な心持ちだったが、発展期の製品というものはそういうものなのかもしれない。

 フィルムカメラとデジタルカメラの違いは、フィルムカメラは味わいなどと言って、古いものでも使う楽しみがあるのだが、デジタルカメラは古いものはただ画質や機能が劣るだけで、誰も見向きもしないこと。中古カメラ店をのぞくと、古いフィルムカメラにはそれなりの値段が付いているのだが、古いデジカメにはほとんど値が付いていない。これはパソコン他のデジタル家電系も似たような感じだ。Macの初期モデルなんてのは歴史的価値を持って高値になってるみたいだが、もちろんこれは例外的なケースだろう。

 技術革新のペースが速く、画素数も感度もどんどん良くなり、重量も軽くなった。最初の頃は、3,000万画素相当だと言われるフィルムカメラには遠く及ばず、フィルムに取って代わるのは何年も先だろうと言われていた。しかしあっという間にデジカメ時代。プロもかなりデジタルカメラを使うようになっている。

 デジカメ時代になってから、ばんばんシャッターを切るようになった。うまく撮れなかったら、即、消去して撮り直すことも増えた。ネガフィルムに較べてダイナミックレンジが狭くて、白とび、黒潰れが多いので、露出補正をしながら何回も撮るのが癖になった。また、パソコンに取り込んで眺めることが増えて、プリントすることが減ってしまった。写真の周辺環境が大きく変わりつつあることが実感された時期だった気がする。

コメント
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