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テラススクエア
所在地:千代田区神田錦町3−22
建設年:2015(平成27)
構造 :S(一部SRC・RC)
階数 :17F・R3F・B2F
設計 :日建設計
Photo 2017.6.26
博報堂の昔の建物は2009年に解体された。その後、跡地には高層ビルが新築されたのだが、その際に昔の建物のファサードと塔屋が再現された。
Photo 2017.6.26 低層部・博報堂旧本館復元部分
装飾などの部材を取り外して保管して、新しい建物にまた設置したもののようだ。躯体も含めて昔の建物を一部保存したわけではなく、いちど更地にしている。いちどは失われてしまったものなので、しばらくしてから以前同様の塔屋のある新建物のデザインが公表されたのにはちょっと驚いた。解体しておいていまさら復活させることに意味があるのだろうか?、という感じですらあった。
Photo 2017.6.26 復元された博報堂旧本館玄関部分
塔屋や玄関の壁面は、高層化に際して公開空地を確保する関係もあって、以前よりも道路から後退して造られている。現場に行って道路の反対側から低層部の写真を撮ろうとしたら、以前より簡単に画角に収まるようになっていた。
Photo 2017.6.26 壁面だけが再現された東側側面
東側の側面については塔屋に続く部分の壁面が途中まで衝立状に設置されている。東南側から塔屋を見た時のバランスは辛うじて確保されている感じ。新築の高層ビルはガラス張りで、正面以外の低層部も同様で、周囲の公開空地には緑地も造られ、それに絡めたデザインがされている。衝立状の壁は、昔の建物が残っているような誤解を与えることを避け、あくまでもイメージ復元であることを明らかにしているとも言える。
Photo 2017.6.26 公開空地
昔の様式的建築を好む一般の人は多い。一方で、現代の建築設計者は昔の建物のデザインを踏襲することをよしとしない面がある。オフィスビルの場合、所有者は機能的な新しいビルを求めることが多いので、古い建物は残りにくい。
両者の間をとる形で、大手町野村ビル、東京銀行協会ビル、日本興業倶楽部など、都心のいくつかの近代建築では新旧のデザインを併存させて建て替えが行われている。このうち、大手町野村ビルや東京銀行協会ビルは、壁面のみを再利用したかたちで、旧博報堂本社ビルを建て替えたテラススクエアもこのタイプだ。内部までを残す価値を見いだしていない場合、このタイプになるのだろうか。
都心の一等地なので、優遇措置がないと古い建物を維持していくことは難しいのだろうな。
Photo 2017.6.26 2Fテラス席
建て替え前の博報堂旧本社ビル
博報堂旧本社ビル - 都市徘徊blog 20110926
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/80/b963e0e7e6ab81fae840afdb1e950d7b.jpg)
博報堂旧本社ビル
所在地:千代田区神田錦町3−22
建設年:1930(昭和5)
構造 :RC
階数 :3F+塔屋
備考 :2009年10月から解体。建て替え
Photo 2005.3.25
博報堂/神田錦町3丁目 - ぼくの近代建築コレクション
Tokyo Lost Architecture
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