歩いていると向こうからS氏とF氏が歩いてきた。他にも多くの人が歩いているのだが、東洋人だからか、キョロキョロしてるからか、人々の中から私たちは互いを容易に見分けることが出来る。二人共やや大きな包みを抱えている。包みといっても茶色いザラ紙をクルクルッと巻いただけで、F氏のものなどは買って間もないのに既にところどころが破れてしまっている始末だった。その中身は、S氏はラッパでF氏は太鼓だった。日本で楽器を買えばたいがい段ボールか何かに入っている。ビロードの付いた化粧ケースに入っていることもしばしばだ。しかし極東のこの地ではザラ紙にくるまれ、破けたところからは中が見えてしまっているのだった。このへんの感覚はやはり共産主義時代の名残なのだろう。家に持ち帰ったあと捨ててしまうようなものは最初から付けないのだ。でもしまっておくときの箱ぐらいあると良いのだが。
S氏はラッパを買ってなかなかご機嫌で、カメラを向けるとラッパを吹くポーズをとってくれる。夕暮れが近づき、夕焼けが綺麗になってきたので、川まで行ってラッパを吹こうとS氏が言い出したのでまたまた川の方へ向かう。なんだか川とカールマルクス大通りを行ったり来たりしてるだけだが、他に対した見どころがないのでこれでいいのだ。
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コムソモール広場は夕焼けに包まれていた。共産主義のシンボルである星を先端に付けたオベリスク状のモニュメントが妙に美しく感じられる。
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広場で結婚式が終わったばかりの人々に出会う。盛り上がっていたので近づいていったら快く写真を撮らせてくれた。後で写真を見て気づいたのだが、彼等は広場でグラスで酒を飲んでいた。一体どこから持ってきたのだろう?
1992年10月 ロシア日記・記事一覧
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