廿世紀浴場
所在地:台東区日本堤1-34
建設年:1929(昭和4)
構造・階数:木1
2007年末に廃業、2009年に解体
Photo 2008.2.17
日本堤界隈は全く馴染みのない街だったが、この銭湯を見るために三ノ輪から歩いて行った。
東京の銭湯は寺院建築のようで「宮型造り」などと呼ばれる外観のものが多いが、ここはなんともモダンな外観。アールデコ風銭湯などとして紹介されることも多かった。鶴の湯や松の湯など、和風の名前が多い中、二十世紀を名乗っていたのも珍しかったのではないだろうか。
廃業後、しばらくはそのまま残っていたが、2009年5月頃に解体された模様。
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玄関部分 玄関は両引きの引き戸。壁面の中ほどはスクラッチタイル張り。半円形アーチの窓も手が込んでいる。
アールデコ的な書体で縦書きで「廿世紀浴場」と書いてあるのが印象的
ところで、「廿」という字は「にじゅう」と読む。本来は「二」と「十」という二つの漢字からなる単語が、一字になってしまっている。こういうのは漢字なのだろうかと以前からちょっと気になっていたのだが、改めて調べてみたら漢和辞典にはちゃんと載っていた。ちなみに「丗」は「さんじゅう」。ところがこちらは世界の「世」の異体字でもあって、「せ・せい」とも読む。二つともどうも「十」の字から発展した字のようだ。
まちあるきをしていると時々、明治廿三年とか書いてある石碑などがあって、以前は面食らっていたのだが、最近になってようやく覚えた。変な話だが、そのへんを改めて覚えようというきっかけになった建物でもある。
東側側面 建物周りの壁には青いスペイン風の瓦が載り、中華料理の器のような模様が刻まれている。
裏側(北東側)から 正面の玄関まわりは洋風の近代建築デザインになっているが、背後の方のボイラーや煙突まわりはモルタルやトタン張りで、当然ながらやや雑然としている。
玄関上部 窓枠は鉄製だったようだ。また、よく見ると十字型の星状の穴が並んでいたり、四隅だけ異なるタイプの磨りガラスだったりしている。
東側側面の窓は改修されたらしく、アーチ型の窓穴の中に、ひとまわり小さな長方形の窓枠が嵌められていた。
全景 東側角の箱庭のような場所に大きな木があり、建物に覆い被さるようになっていたのも印象的だった。
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 台東区 #銭湯
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