まるみのあっちこっち巡り

ー33,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

映画 君を想って海をゆく

2011-01-15 00:07:38 | 映画(劇場鑑賞)
ドーバー海峡を泳いで渡る~イギリスに暮らす君に会うために
マンチェスター・ユナイテッドの選手になるために。

クルド難民の17歳の少年ビラルの夢。
イラクから4000キロの道のりを命懸けで3ヶ月かけて歩き、
フランス最北端に位置するカレに到着しますが、ドーバー海峡に阻まれます。
対岸のイギリスまでは10キロですが、陸路を使った密航には失敗。

泳いで渡るしかないと考えたビラルは、
市民プールでクロールの指導を受けます。
コーチのフランス人シモンは、水泳のゴールドメダリスト。
次第に二人の間に父子のような感情が流れ始めます。

ビラルの夢は、無謀だとは思います。
シモンも無理だと忠告し、水温10度の海を泳がせました。
それでも貪欲に練習し、海を泳いで渡ろうとして捕まり、
収容所送りとなります。

「お願い、見逃して、捕まえないで」と、
まるみは心の中で願っていました。
リアルな演技に引き込まれ、その世界に入り込んでしまいます。

フランスでは、公開5週で100万人の大ヒット。
移民担当大臣を巻き込んだ大論争が勃発!
難民を手助けするだけで市民が尋問の対象になります。
難民を受け入れたくない政府と、それに従う一般市民。

難民の現状を浮き彫りにするこの作品は、質の高いもので、
それを証明するように、セザール賞主要10部門にノミネート。
欧州議会も2009年のルクス賞に選びました。

この素晴らしい作品が、日本ではたった1つの映画館でしか観られません。
まるみは、この映画を観ることができて幸せに思います。

*クルド人とは…
 トルコ、イラク、イラン、シリア、アルメニアの国境地帯に跨る
 山岳地域(クルディスタン)に暮らしています。
 人口は約3000万人と言われ、現在、独立した祖国を持たない
 世界最大の民族と呼ばれています。

ヒューマントラストシネマ有楽町

2011.1.13
コメント (2)