'07/06/15の朝刊記事から
社会保障番号制度化を検討
年金記録不備で首相
安倍晋三首相は14日の参院厚生労働委員会で、年金記録不備問題に関連し、年金や介護、医療など社会保障に関する個人情報を一元管理する社会保障番号制度について「国民にとっても利便性がある。早急に検討しなければいけない課題だ」と述べ、導入に意欲を示した。
首相は、年金制度が申請主義であることを指摘した上で「自分の情報を取れなければ申請のしようがない。社会保障番号で情報に容易にアクセスできる」と強調。
年金制度への信頼回復策として有効だとの認識を示した。
一方で、個人情報管理上の安全性確保などの課題を指摘し「国民的合意が必要」とも述べた。
これに関連して首相は同日夕、記者団に対し「社会保障制度のさまざまな仕組みがある中、統一的なカードを使うことで利便性が向上する」と述べ、同番号制度と併せ、政府・自民に浮上した年金カード構想の検討を急ぐ考えを示した。
社会保障番号
公的な年金や医療保険など社会保障に関する給付と負担の個人情報を一元的に管理するため国民に番号を付与する制度。
保険料納付の把握が容易となり、社会保障の効率化が進むなどとして財界などからの要望が強く、今年の政府の「骨太の方針」原案は納税者番号制との関係も含め「具体的な検討を進める」としている。
安倍首相が昨年9月、自民党総裁選の際に示した政権構想も「検討する」としている。
ただ、導入に当たっては個人情報への配慮などが課題となる。