'07/06/17の朝刊記事から
北朝鮮がIAEA招請
核放棄ようやく端緒
実効性 なお不透明
【ジャルガラント(モンゴル北部)16日共同】北朝鮮が、マカオの銀行にある資金移管が「最終段階」にあるとして国際原子力機関(IAEA)の実務代表団招請に踏み切ったことで、2月13日の6カ国協議合意から約4カ月を過ぎて、資金移管問題で停滞していた北朝鮮核問題がようやく動き出す見通しになった。<解説>
合意で定められた初期段階措置履行期限の「60日」から2カ月以上遅れたが、なんとしても6カ国協議を前進させようと譲歩を重ね、難航していた資金移管を「超法規的措置」で実現した米国の意志に北朝鮮が「行動対行動」の原則で応えざるを得なかったといえる。
北朝鮮は2月の合意に基づく初期段階措置履行に事実上着手したともいえるが、求められているのはIAEA代表団を受け入れた後、実際に核施設停止など同措置の具体的行動をとることだ。
朝鮮半島非核化に向けた具体的な行動が実現するかどうか。
今回の北朝鮮の行動は最終目標に向けた端緒がつかめたにすぎないともいえる。
北朝鮮報道の第一報を受け取ったヒル米国務次官補は歓迎の意向を示し「このステップがなければ何も達成できない」と「必要条件」をクリアした充実感を示した。
だが合意履行の「十分条件」ではなく、北朝鮮との交渉が一筋縄ではいかないのはこれまでの経緯が示している。