'07/06/17の朝刊記事から
韓国到着 脱北家族 施設で適応訓練へ
【ソウル16日共同】北朝鮮を脱出後、青森県で保護された家族4人は16日、韓国に到着した後、ソウル市内にある韓国の情報機関、国家情報院の関連施設に収容されたと見られる。
一定期間、身元調査を受けた後、定着支援施設に移され、韓国社会に適応するための職業訓練や教育を受ける予定だ。
4人が乗った大韓航空機内では、韓国政府職員がぴたりと付き添い、報道陣の接触を一切遮断した。
定着支援施設を出るまでは、記者会見や市民との接触の機会はない。
これまでに韓国に入国した脱北者は計約1万300人で、今年は3月末現在で既に約600人。
韓国政府は北朝鮮を刺激することを避けるため、脱北者の個々のケースについては明らかにしないことを原則としており、今回も「コメントできない」(外交通商省)としている。
根強い差別 定着に壁も
【ソウル16日時事】北朝鮮を脱出し、青森県に漂着した家族4人が16日、希望していた韓国入りを果たした。
今後、4人は韓国政府の支援を受け、新天地での定着を目指す。
一方で、脱北者が韓国社会への適応に苦しむ厳しい実態もある。
一般的な手続きに従えば、4人は国家情報院などの調査を約1カ月受けた後、脱北者の生活定着支援施設「ハナ院」に収容される。
ハナ院で約2カ月間、教育や訓練を受けてから、ボランティアの協力を得ながら一般社会での生活を開始する。
4人家族であれば、一時金2000万ウォン(約260万円)と家賃などが韓国政府から支給される。
就職後の3年間に最大1500万ウォン(約200万円)の奨励金も提供される。
韓国に入国した脱北者は今年2月に計1万人を超えたが、韓国社会には脱北者への差別も存在する。
北朝鮮と異なる韓国の習慣や価値観に適応できない脱北者の多く、社会問題となっている。