'074/09/03の朝刊記事から
遠藤農水相きょう辞任 「不正受給」で引責
安倍政権 閣僚交代5人目
遠藤武彦農水相は2日、自らが組合長理事を務める農業共済組合の掛け金不正受給問題の責任を取り、辞任する意向を固めた。
3日午前、安倍晋三首相に辞表を提出後、農水省で記者会見する。
政府与党内で遠藤氏が農水相にとどまったままでは10日召集予定の臨時国会は乗り切れないとの見方が広がり、与謝野馨官房長官が2日夜、遠藤氏と東京都内のホテルで会い、早期辞任を促したとみられる。
これに先立ち、与謝野氏は自民党の麻生太郎幹事長とも都内のホテルで会談。
遠藤氏の進退問題を早期決着させることで一致した。
安倍政権での閣僚辞任は4人目で、交代は自殺した松岡利勝元農水相を含め5人目となる。
閣僚候補にスキャンダルがないか調べる「身体検査」を入念に行ったはずの安倍改造内閣の主要閣僚が、発足からわずかの間に辞任に追い込まれ、野党が首相の任命責任を厳しく追及するのは必至。
不正受給問題
山形県米沢市の置賜農業共済組合が、農作物の霜などの被害を補償する農業共済をめぐり、加入者を水増しするなどの手口で共済掛け金115万円を国から不正に受給していた問題。
会計検査院が2004年6月の実地検査で把握し、山形県に指摘。
会計検査院は今年5月にも県に組合側の対応状況を問い合わせている。