kodak DC4800
'07/09/02の朝刊記事から
北方領土の大規模開発 北朝鮮から労働者
旧ソ連諸国、中国人も
【ユジノサハリンスク1日津野慶】ロシア政府が今年から大規模な開発計画に着手した北方領土の建設現場で、北朝鮮人など外国人労働者が働いていることが1日、分かった。
北方四島では労働力が慢性的に不足し、これを補うために今後、ロシアのビザで働く外国人労働者が増える可能性があり、ロシアの実効支配を既成事実化する動きが強まりそうだ。
北朝鮮の労働者が働いているのは、国後島古釜布の裁判所の建設現場。
住民によると、20代半ばから40歳ぐらいの男性約15人が、7月初めから、ロシア人の現場監督のもとで作業し、外壁の仕上げや内装工事に従事している。
まじめで熱心な仕事ぶりに評判はいいという。
国後島などを管轄する南クリール地区行政府によると、同島の建設工事現場ではこのほか、キルギス、モルドバなど旧ソ連諸国や、中国からの労働者が働いている。
北朝鮮労働者
北朝鮮政府は1万人以上の労働者をロシアや東欧、サウジアラビアなどに派遣している。
特にロシア極東では、安価な労働力として急増している。
北方領土を事実上、管轄するサハリン州によると、同州は2005年に約1200人の北朝鮮労働者を受け入れ、うち990人が建設作業、88人が林業、62人が漁業、52人が製造業、9人が農業に従事していた。
沿海地方も約5000人を受け入れているもよう。
長時間労働や医療面の不備も問題のほか、賃金の大半を北朝鮮が搾取しているとの指摘もある。