ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

「三国志」 実在の曹操・曹植の漢詩  ・ ルチア・ポップのソプラノで「夕映えの中で」

2015年02月09日 | 政治

短歌行 曹操

★(三国志の英雄、曹操は「治世の能臣、乱世の奸雄」と評され、三国時代のナポレオンとも比較される。スケールの大きな英雄だが
能力のある人物を自分のもとに呼び、活用した。敵方である劉備玄徳の義兄弟の「関羽」との友情は有名。また同じく「全身是肝」と評された趙雲子龍が主君である劉備玄徳の幼児をかかえ、ただ一騎で曹操の大軍の中を駆け抜ける豪胆に感動し、「弓を射るな」と命じる。
長年、悪役とされてきたが、男気があり、魅力ある人物と最近評価が変わってきた。楽器の演奏や詩、舞など芸術にも優れていた。)


酒にむかいてまさに歌うべし 人生いくばくぞ
たとえば朝露のごとし 去り行く日のはなはだ多し

慨して当に以て慷すべし 幽思忘れ難し
何を以て憂いを解かん ただ杜康あるのみ

青青たるきみが衿 悠悠たる我が心
ただ君が為のゆえに 沈吟して今に至れり

ゆうゆうと鹿は鳴き 野の草を食む
我によき賓有らば 瑟を鼓し笙を吹かん

明明として月のごとし 何れの時にかひろうべし
憂いはこころより来る 絶つべくもなし

陌を越え阡を渡り まげてもって相存す
杯かわし語り明かさん 心におもうは旧き契りぞ

月明らかに星稀に 烏鵲南に飛ぶ
樹をめぐること三たび 何れの枝に依るべきか

山は高きを厭わず 海は深きを厭わず
周公哺みしものを吐き 天下心を帰せん


晩年の曹操の詩

「老骥伏枥,志在千里。烈士暮年,壮心不已」(老いた駿馬は馬小屋に伏すも志は千里にあり、烈士は暮年にも壮心やまず)


    **********************

     
       七歩詩   曹植

★ 曹植(曹操の息子、芸術に優れた曹植を父が愛したが、そのために跡継問題で警戒した兄が弟を捕える、
その時、七歩の時間内に詩を作らないと死罪と兄は言い渡す。曹植はこの詩で兄弟ながらなぜこのように、と「豆」「豆ガラ」に例えて嘆く)


豆を煮るに  豆萁(まめがら)を 燃やせば,
豆は 釜中に 在りて  泣く。
本 是れ 同根に 生ぜしに,
相ひ煎(に)ること  何ぞ 太(はなは)だ 急なる?


★ 天才詩人である曹植を超えるには、『唐』の時代の李白や杜甫を待たねばならない。





★ ではルチア・ポップのソプラノでリヒァルト・シュトラウスの作曲『夕映えの中で』をお聴きください。 指揮は巨匠ショルティ。
Lucia Popp " Im abendrot" Vier Letzte Lieder


★ リヒァルト・シュトラウスはワーグナーの教えを受けたこともあり、ワーグナーの影響を強く受けています。
歌詞はアイヒェンドルフの詩、ドイツ語で歌われます。


★ かつて、よく聴いたシュヴァルツコプフの歌で同じ歌を、指揮は何と!カラヤンです。文学的といえるような素晴らしい解釈の演奏!!・・・でもシュヴァルツコプフは立派すぎて、私には遠く感じます。
歌はルチア・ポップが暖かい情感。ポップとカラヤンだったら・・・きっと歌の喜びで身震いするでしょうね。

ELISABETH SCHWARZKOPF "IM ABENDROT" Vier letzte Lieder




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2 コメント

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やはり可愛い声だー (rimrom789)
2015-02-10 00:07:07
ベッラ様
ルチアさんは声も可愛いけど歌い方もソフトで優しい印象。
選曲のせいかなぁ。
まるで妖精です。

ハンガリア舞曲5番、テンポが速い気がするのですが、あんな感じでしたか?
音のハーモニーが綺麗で済んだ響きに聞こえました。

藤井先生と橋下市長との会談、どうなってるんだろう?
期待して待ってるのに。
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仰る通りですね。 (rimrom789さまへ)
2015-02-10 00:28:30
ルチア・ポップの歌は愛らしくて、つい微笑んでしまいます。彼女は「妖精」、そう、「ルサルカ」というかオンディーヌのようです。ドイツ人ではないし、シュヴァルツコプフのような「啓示」も感じられませんが、優しい。

シュヴァルツコプフは偉大な歌手ですが、どうも私にはあまりなじめない、シュヴァルツコプフ(日本ではシュワルツコップと書かれています)については、彼女の「信者」のような批評家や声楽の大御所が絶賛のあまり、私にまでそれを説き、私は「コップなんて好きじゃない」
と言ってしまって叱られた。

「ハンガリア舞曲第5番」でなくて「第一番」ですが、
アッバードはイタリア語のように指揮、これは「語感」なのでしょう。私は好きですが。

藤井・橋下氏のこと、また動画貼ります。

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