井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

なぜゲーム音楽か(4)21世紀に向けて

2010-09-19 22:08:44 | アニメ・コミック・ゲーム

「ジャングル大帝」「宇宙戦艦ヤマト」「ドラゴン・クエスト」と三つの音楽に対する思いを綴った。全て好きだという訳ではない。ただ、重要な共通点があるのである。これらの作曲者の生年に注目していただきたい。冨田勲(1932)、宮川泰(1931)、すぎやまこういち(1931)、いわゆる「昭和一けた」、私からすれば親の世代、つまり三人は同世代である。

あらゆるジャンルで「昭和一けた」の皆さんは、同じ特徴がある。それは、その上の世代が戦争でいないため、かなり若い時から日本の中心的な仕事をし、それがまた長く続いたのである。もちろん、戦争の苦労もしているから、良い事だけが廻っていたわけではないのだが。

御多聞にもれず、上記のお三方も長く日本の中心的存在だった。それは羨ましいところもないではない。ただ、やはり敬意を払いたいのは、間接的に文化を背負っている姿勢が感じられることである。戦後の復興を文化面で切り拓こうという姿勢である。

もっと具体的には、皆さんクラシック音楽に対する畏敬の念が感じられ、宮川氏やすぎやま氏は、(結構はっきりと)自分の音楽とクラシック音楽との結びつきを願った発言等がある。(冨田氏はシンセサイザーで世界のトミタになってしまったので、さらにその先を行った感があるが。)

皆さん、消耗品の商業音楽ではなく、クラシック音楽同様、文化として伝えられる音楽を目指しているという方向性が、はっきり感じられる。だからオーケストラ編曲に耐えられる作品になっているし、そうすると、さらに吹奏楽等に編曲したものも含め、音楽愛好家が楽しむ機会がさらに増える。これが文化でなくてなんであろうか。

ヤマトの音楽、ドラクエの音楽、アニメやゲームを離れて楽しむことができたし、楽しんでいたのだ。演奏側から言えば、それをレパートリーに入れることによって、聴衆を獲得できたのだ。ここが大事なところだ。享受する年代層がぐっと広がる。

昨今のゲーム音楽で、それができるか?

韓ドラブームは、歴史問題、竹島問題をあっさり乗り越えて、親韓派を作った。日本のゲームも実際は尖閣諸島問題をあっさり乗り越えている。ただこれが10代20代の若者中心で、それ以上に広がる要素があまりないので、文化にも平和にも貢献していない。このゲーム製作者に昭和一けたの気概があったら、世の中変わるよ ! ゲーム作りの皆さん、何とかしておくれよ。