井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

技術と音楽性

2011-04-10 07:48:36 | ヴァイオリン

「音楽性」という、曖昧模糊とした用語がある。欧米語にもあるから、その訳語なのだろう。一体何を指して言うのか?

おおまかには、「歌心」とか音楽の「構成力・構築力」などを総称しているようなところだろうか。音楽に対する「意欲」や「意志」も含まれるかもしれない。

このように定義が漠然としているにも関わらず、便利に使ってしまう言葉だ。

例えば先日、中学生数名の演奏を聴く機会があった。

ひらたく言って、なかなか上手い。

ところが「指弓やってみて」「マルトレは?」とやらせてみると、まるでできない。

こういう時「音楽性は優れているけれどね・・・」と言う訳だ。

つまり「技術」の対義語として扱われることがよくある。

この中学生達、技術はあまり身についていないのに、それは見事にヴァイオリンを弾くので、かなり衝撃的だった。

それなら別に、いわゆる「技術」がなくても問題ないのでは、と思っても不思議ではない。

あるところまでは、それで進めると思う。しかし、その先、どうしても本物に聞えない瞬間が出てくる。ここが技術の裏付けの有無に関わるところなのである。

いわゆる「音楽性」のみで突き進むと、技術の壁に阻まれた時のショックが大きすぎるので、やはり「技術」面での訓練も同時に進めるのが理想的だろう。

実は、私も子供の頃、「音楽性はあるから、もっと技術を」とよく言われた。

「音楽性は後でも身に付くのだから、まずは技術をみがいて」という助言もよく聞いたことがある。

一方「技術は後からでもできるから、まずは音楽性を育てて」という助言も同じくらい耳にした。どっちやねん?

多分、どちらも間違いではない。誰でも、どちらかが先行するのが世の常だから、どちらかが遅れをとるのは当たり前だ。

とにかく両方必要だし、どちらかを先に身につけておかなければ、ということは無いと考える。

練習している方々は、そのあたりのことを念頭において学習することをお勧めしたい。