かなり刺激的なタイトルに触発されて買ってみた。いやはや何とも難しい内容だった。 著者によると、
と、恐ろしい事まで書いてあるのだが、はて、一音だけ聴いて奇跡が起きたり、病気になったりなどということがあるだろうか。 それは到底信じられない。 また「A=440HzにするとCが528Hzにならない。528にするにはA=444Hzであるべきで、国際会議でA=440Hzに定めたのはイ○ミナティの陰謀」となっているのは完全に見方がおかしい。 A=440Hzにすると、純正律ならばぴったりC=528Hzになるのだ。平均律が頭を狂わせる話ならばわかるが。 にも関わらず、この本に興味を持ったのは他の部分である。 先ほどの741Hzは、大体F#の音になるが、これとCは増4度の不協和音程。昔から「悪魔の音程」と言われている。 この増4度が「社会全体をむしばむ」というのならばわかる。そして、
等の文章があるのだが、そのように苦痛を与えて支配するために「増4度」を使う、ということならば納得できるからだ。 さらにロック○ラー財団が戦時中から「集団ヒステリー」の研究を行い、実践例がプレスリーやビートルズとある。研究者の中にはハンス・アイスラーとテオドール・アドルノが含まれていた。 そしてカッコ書きなのだが、[ビートルズの楽曲をアドルノが作曲していたという「ビートルズ陰謀論」がある。]という一文に惹きつけられた! 以前に本ブログのコメント欄で「ビートルズのゴーストライター」に触れたことがある。これは信じていたのだが、えっアドルノ? アドルノの本は図書館には必ず置いてる類の、いわゆる難しい本だ。私はまだ読んだことがないし、あまり読みたいとも思わない。 ウィキで調べると、実は作曲も勉強していて、アルバン・ベルクに師事したという。しかし「支持」していたシェーンベルクらが評価されないのに失意を感じて、作曲は止めたらしい。そしてポピュラー音楽を否定的に見ていたとのこと。 これは怪しい。世間をあざむく仮の姿のニオイがする。 また、シェーンベルクも怪しげなところはあちこちある。玉木宏樹さんは「シェーンベルクは調性が大好きだったのではないか」と述べられていた。その説には大いに賛同する。 為政者にとっては、一般市民が音楽を聴いて知性や理性が豊かになっては困るから、その権威であるアカデミズムに仕掛けをして、人々の気が狂いそうになる音楽こそ未来のあるべき音楽だと仕向けるようにイ○ミナティなりが誘導したのではないか、と想像してしまった。
この本の意図するところとは別であり、本来の読み方ではないと思うが、少なくとも私はこの本を読んで、現代音楽に対する訝しさが吹っ切れた。 これを機に、現代音楽から調性を奪ったのはロック○ラーの陰謀と井財野は決めつけ、それに抵抗する道を力強く歩んでいこうと思うにいたったのである。その意味で、大いに役にたった本であった。 |
ジョン・レノンを殺した凶気の調律A=440Hz 人間をコントロールする「国際標準音」に隠された謀略() (超知ライブラリー 73) 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2012-02-29 |