井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

やってあげてる感満々の弦楽器奏者

2017-02-24 21:38:00 | 音楽
室内楽が大好きなピアニストが集まった。例のピティナの本番後の写真。


この後、打ち上げがあったのだが、徐々に本音が出てくる。

その中で、ピアノトリオを組んでいた相手の弦楽器奏者が、段々「やってあげてる感満々」になっていくということが話題になった。

私は日頃から、ピアノを弾く人は必ずアンサンブルをするべきだというのが持論だし、そのための協力を惜しむつもりはない。

だから「やってあげてるなんて、何と失礼な」と言う…

これは建前の自分であることを告白しなければならない。

正直に言うと、長くやっていると、段々「やってあげてる感」が強くなる。

生まれて初めて演奏したピアノを含む室内楽曲はメンデルスゾーンのピアノトリオ第一番。

チェロはなかなかカウントができないし、ピアノはなかなかイン・テンポで弾けないし、まさにヴァイオリンを弾いて「やってあげてる」状態。

では、他の二人がしっかり弾ける状態ならばどうか。

もちろん、喜ばしく演奏するだろう、少なくとも最初のうちは。

ここで、根本的な問題が見えてくる。

ハイメラン著「クァルテットのたのしみ」という、弦楽四重奏について書かれた名著、いや、ひょっとしたら「バイブル」がある。
その中に、

「弦楽四重奏をしていたら、そこにピアノを加えようなどとは誰も考えないものだが」

という一文がある。

そう!洋の東西を問わず、弦楽器奏者はそう思うのだ。室内楽好きのピアニストの皆さん、ごめんなさい。
皆さんとは、是非二重奏をさせていただきたい…。

そして、弦楽器奏者の皆さん、くれぐれもピアニストにはそのような本音を言うべからず。ピアノトリオであれ、ピアノクァルテットであれ、していただけるのであれば、丁重にお付き合いして、感謝の意を決して忘れないようにしましょう!