気にそまないユモレスクを何回も弾かされると、そのうち、いつもの第7番ではなく第1番あたりを弾いてみたい衝動にかられる。第1番もそう悪くない曲なんだけどな・・・。
ところで最近、ピアニストから「これを弾いてほしい」と渡されたのがクライスラーが編曲した第7番であった。
ギョッとしたのは、まず原曲の変ト長調であること。つまりフラット6つ。反射的に「こういうことはやめてほしいなぁ」と思ってしまう。ハイフェッツが編曲したサン=サーンスの白鳥も変ト長調だったな、などという事を思い出しながら恐る恐る弾いてみた。
あれ?意外と弾きやすい。
それに、スラーの関係で、例の「ねっとり」ゆっくり演奏は不可能で、私の望む快速テンポでしか弾き得ない。
さすが、クライスラー!
「クライスラー ヴァイオリン名曲集 3」として日本ショットからも出版されているので、皆さんにお勧めしたいところである。