井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ラフマニノフの交響曲第2番はアマチュアに向いている

2018-07-13 08:31:00 | オーケストラ
私にとって5本の指に入る難曲、という位置付けだったこの曲、今世紀に入ってから、アマチュアオーケストラがよく演奏するようになった。
多分、2003年に著作権が切れたからだろう。

今から20年くらい前、私が指導していた大学生のオーケストラがこの曲を演奏したいと言いだした時、私は大反対したものだ。
前述の通り、私にとっては難曲だったから。

しかし、それでも結局プログラムにのった。
そして本番を聞きに行って、唖然とさせられた。

2楽章の難所は全く聞こえない、だけではなかった。

3楽章と4楽章の弦楽器の聞かせどころが実に美しく響きわたったのだ。

え?こんなにうまくなったのか?とその時は思った。

この「聞かせどころ」、よく考えてみれば技術的にそう難しい訳ではない。

大学生のオーケストラだから、楽器を初めて間もない、いわゆる「初心者集団」がある程度いる。が、この「聞かせどころ」は、その初心者達でも手が届く技術レベルだ。

だから、この「聞かせどころ」は、曲がりなりにも初心者達も弾く。
そうすると、弦楽器全員が曲がりなりにも弾くことになるから、会場に弦楽器が鳴り響くことになる。

結果、オーケストラの評価まで上がってしまうこともある訳だ。こんな曲はそうそうあるものではない。

それらが、筆者をしてアマチュア向けと言わしめる所以である。
だからと言って、プロに向いていない訳ではない。それはもちろんである。
ブロの技術がないと演奏が困難な場所は、前述の通りいくらでもある。

繰り返すが、こんな曲はそうそうあるものではない、と改めて思う。