井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ソリテア@龍国寺音楽会

2010-05-27 21:18:20 | 井財野作品

福岡市の西にある糸島市、その一角にある龍国寺で5月16日、第2回目の音楽会が開かれた。

そこで拙作、独奏コントラバスのための「ソリテア」が演奏されるため、招待されて伺った。

プログラムは、

・シェーベリー:トゥーネナ

・デュポール:エチュード第8番

・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番より「サラバンド」「ガヴォット」

・エンリコ・マイナルディ:三つの日本の歌

・井財野友人:独奏コントラバスのための「ソリテア」

・クープラン:コンセール

・ロッシーニ:二重奏曲

演奏者は東京交響楽団の首席チェロ奏者、ベアンテ・ボーマンさんと、元東京交響楽団のコントラバス奏者、西依智子さん。

曹洞宗のお寺のお堂にところ狭しといすが並べられ、仏像の前に舞台が設えられ、その近くには座布団が置かれる、といったオーディトリアム。どれだけ詰め込んでも150名がいいとこだそうだ。壁の反射は期待できず、欄間で遮られる音もあり、かなり制約のある音響条件かもしれなかった。

しかし、キンキラキンの吊りもの(何と呼ぶのか名前を知らない)で雰囲気は豪華、それにも増して満員の聴衆、演奏者と聴衆の作り出す空気は最上のもの、演奏会はこうでなくちゃ、という理想が実現されていた。

万雷の拍手で呼び込まれるせいか、演奏者のお二方ともニコニコして登場する。これが嬉しいし、またお二人ともお話がおもしろい。西依さんは、かつて東京交響楽団の青少年向けコンサートでナレーターを手馴れーたー調子でされていたのを目撃して感服したことがある。ボーマンさんは宣教師でもあるそうで、お説教は本職みたいなものかもしれないが、こちらも日本語で立派にお話をされていた。スウェーデン人だけれど、来日して30年、今や本国より日本での生活が長いとのことで、考えようによっては当然かもしれないけれど、日本語を解しようとしない欧米人もいるから、やはり敬意を抱くのであった。

それで拙作の「ソリテア」。西依さんは最大限の努力をして下さって、これが一番面白かったとおっしゃってくれたお客様もいらしたのはひたすら感謝。しかし作者としては自分の未熟さを見せ付けられたようでもあり、身の縮む思いで会場にたたずんでいたのは確かである。

コントラバスに関しては、まだまだ勉強が足りないから、また勉強しなくては・・・というところ。

それはともかく、演奏者の心意気が聴衆を惹きつけ、互いに幸せな空間を生み出す、といった場に居合わせることができたのは幸いだった。それさえあれば、知らない曲が並んだところで、問題にはあまりならない、ということも再確認した思いで会場をあとにしたのであった。


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