井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

世界のYouTubeが認めたパヴァーヌ

2012-07-03 00:09:06 | ヴァイオリン

「梅鶯林書」の「梅の巻」「鶯の巻」はようやく問屋(大阪村上楽器)から配本の行動に移ったとの連絡があった。多くの皆さんをお待たせしていて申し訳ありません。

それに先立ち、内容を紹介する動画をYouTubeを使って公開している。このYouTube、最近著作権管理が厳しくなったとのことだが、無駄にスゴイことをやっている。

「梅の巻」ではモーリス・ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の冒頭を教材として使用している。

よたよた練習して、やっとここまでできた、というレヴェルなのだが、とりあえず出来上がりの動画をアップロードすると、しばらくして、以下の表示が出てきた。

第三者のコンテンツと一致しました。

これのスゴイのは、この動画がパヴァーヌであることを一言も情報として記入していないのに、パヴァーヌであるとYouTube側が判断したことである。この演奏で・・・

</object>

これの不便なところは、そのメッセージが出たら、文字情報、公開範囲等も含め、一切の編集ができなくなることだ。

この申し立てを無効と考える人は、というリンクがあって、たどっていくと一応取り消す道は残されているようだ。しかしかなり煩雑なのである。

なので、それは一旦削除して、タイトル等を記入し改めてアップロードをしてみた。件のメッセージが出なければ編集はできる。さて、どのくらいでメッセージが出るか、注視していたら「3分」後・・・

第三者のコンテンツと一致しました。

一致したからどうだというのだ、と言いたいが、YouTube側は著作権保護に抵触していると見なしているようだ。それは明らかに間違いだ。ラヴェルは1937年に亡くなっているから死後70年以上たっている。立派にP.D.パブリック・ドメイン、公共財になっている。

それにしても3分で、どうやって判断されたのか?リンク先には、以下の文章がある。

あなたの動画には、次のような著作権で保護されているコンテンツが含まれている可能性があります:

    • <label class="radio-label" for="claim_select_3atebL1bX94">"Pavane Pour Une Infante Defunte"</label>

ちゃんと正しいタイトルが付記されている。世界中からひっきりなしにアップロードされる動画をいちいちチェックして、正しいタイトルまで瞬時に判断して、送りつけるエキスパートがいるとはとても思えない。

多分、メロディに反応する機械があるのだろう。カラオケで点数を出す機械のようなものかもしれない。このたどたどしい演奏にも反応するとは恐れ入谷の鬼子母神。

しかし、これで笑えるのは、以下の動画には何のメッセージも出てこないことである。

</object>


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
苦あれば楽あり。困難な鍛錬を積み重ねた先にのみ... (kawailaw)
2012-08-11 11:41:32
苦あれば楽あり。困難な鍛錬を積み重ねた先にのみ、美しい音楽を奏でる日があるというお言葉と、承りました。精進あるのみですね。ありがとうございます。
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kawailawさま (井財野)
2012-08-02 23:58:33
kawailawさま
苦あれば楽あり、としか申し上げられません。

ちゃんぐま~さま
実は、その後世界中からクレームがついたのか、「編集」はできるようになりました。
ただ、ぶつ切りになっていなくてもアラートが出ることもあります。
相変わらず、よくわかりませんね。
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YouTubeのアラートが出る件につきまして、なんとな... (ちゃんぐま~)
2012-07-29 08:27:03
YouTubeのアラートが出る件につきまして、なんとなく、もしかしたら、と私個人的な経験から言いますが、曲がぶつ切りになっている場合、加工されている、と判断(コンピューター的に)されるのではないか、と思っています。
2次使用?、ですかね。その取締りの為に、飛んでくるような気がします。
コピーはOKだけど、加工はだめよ、みたいな。
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>10年くらい (kawailaw)
2012-07-20 03:42:27
>10年くらい
おけいこバイオリニスト父兄としましては、なかなか身につまされるものがございます。
うちの娘10歳、ヴァイオリンを初めて5年目になります。フリマリー本の3オクターブのスケールとアルベジオを全調。それに、先生ご指定の調の三度、六度、八度のダブル。毎日練習しています。音の方はご想像の通り。むしろ後者の方が聞くに堪えない感じは高いと申しましょうか。毎年3月にはスケールエチュード試験というのがありますので、やっておかないと大変なのです。
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酷いってのはシステムですか、演奏ですか? (井財野)
2012-07-17 23:19:37
酷いってのはシステムですか、演奏ですか?

ちなみに、初心者が集まってジャージャー鳴っている弦楽器の音、これは私、結構好きな音です。幼稚園、小学校と、この音に囲まれて育ったせいか、ヴァイオリンによる胎内音のような感覚があり、幸せになれるのです。

苦痛なのはヴァイオリンを始めて10年くらいになる人がレッスンで弾くスケールの音。一般にはなかなか聴けない音ですが、これは毎回逃げ出したいです。
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これは酷い・・・(爆) (くま(´(ェ)`))
2012-07-14 14:48:49
これは酷い・・・(爆)
井財野先生の経歴からすると
さぞかしストレスのたまることでしょう。
いや、こういう授業があるから先生も
丸くなられたか?!(笑)

ネットの?認識システムは凄いですよね。
以前僕の録音をPCに入れ込もうと思ったら、
ソニーVAIOのソニックステージって自動認識
になっていて、ピタリと当てられたことがあります。
結構間違いも多いですけどねえ。(;´∀`)

例えばウチの生徒がたどたどしく弾いたアンサンブルを
シャンソンと誤認してみたり・・・

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自分の事しか念頭になかったけれど,言われてみれ... (井財野)
2012-07-06 07:54:52
自分の事しか念頭になかったけれど,言われてみれば世界中で「イラッ」としているでしょうね。これもある意味笑えますが。
それに,私に関係するところでは,確かにモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の動画にも「第三者~」のメッセージが出ていました。世界初の訳がないから,「それはそうでしょう」とそのまま放置してありますし,それ以上何も思わなかったのです。
しかし,音楽にもなっていないものに反応するとはね~。
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法律家としては法的な側面のコメントを書くべきで... (kawailaw)
2012-07-03 03:41:07
法律家としては法的な側面のコメントを書くべきでしょうか。。。いやいや、無駄に凄い労力を費やすyoutubeのsystemに笑讃のメッセージをお送りするべきでしょうか。世界中で何百という音楽家・愛好家が先生と同じような思いをされてyoutubeに向かってイラッとさせられている図を想像してしまいました。。。。。。運命、とか、英雄、とかでも、多分同じことが起きるのでしょう。困ったちゃんなシステムですね。ご苦労様です。
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