ピアノとのアンサンブルをする時、ピアニストに注文をつけるとすれば音楽的なことに限るのが一般の姿だろう。技術的なことは、ピアニスト自身に任せるのが本来である。
しかし、ピアニストが学生だったりすると、そうも言っていられない状況が時々生じる。
それでも極力技術的な指示は避ける。だいたい自分が弾けもしないことをそうそう言える訳がない。
一つ便利な言葉を覚えている。ピアニストのレオン・フライシャーが言った言葉だ。
音楽というのは水平運動だと思う。(ピアノの)垂直性から水平性を生みだす秘密が何であるのかを学ばなければならない。(「音楽の友」2008年10月号)
例えばこんなヒントで、実際の技術面を自分で考えてもらうように仕向ける訳だ。これで成功する人は、実はかなり優秀な方かもしれないが。
言葉を尽くして、でもほとんど変化しなかった場合、ついに「手が出る」。
注) 顔をひっぱたくのではありません。私がピアノを弾くのです。
これで、私の方が上手に弾けたりすると、その学生の評価は地に落ちる・・・。
いや、これは冗談。
指を速く動かす必要がなければ、イマジネーションでかなり弾けるのがピアノという楽器だ。(今日はトロンボーンもイマジネーションで吹いてみたい衝動にかられたが、それは無理。)長年音楽に携わっているのだから、実は弾けて当然。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ1番の冒頭などは、練習しなくても、その辺の学生よりは上手く弾ける。年の功というものだ。
だけど、やはり同時に、ピアノを、あるいはヴァイオリン以外の楽器をどう演奏するべきかという技術的視点は、折に触れて見識を深めておくと、とても役に立つのは事実。
先日、ヴァイオリンとピアノの二重奏講座で、ピアノの先生がペダリングを指導している現場を間近に見ることができた。
これは面白かった。
特にフォーレのソナタでバスを長く響かせる方法は、・・・・・・・・・・
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