今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

2008年の読書記録 その2

2008年12月27日 | ブックレビュー

 ということで続きです。

※7月
◇カラフル 森 絵都
文庫・新品で購入。結構期待して読んだのですが、若者向けだったような気がします。読み終わって娘1号にやろうと思ったら「もう読んだ」ですと。やはり高校生向け?


◇移民の譜 麻野涼
文庫・新品で購入。昨年垣根先生の「ワイルドソウル」を読んで以来ブラジル移民の歴史も知りたいとは思ってたのですが、これはその関係の小説でした。ブラジルとその近辺に移住した人たちの苦労がうかがい知れます。この話は段々すごくなっていく上に、最後はすごいことになったり。問題は「文庫なのに高い!」という点につきます。内容はグーです。


◇奇跡の人 真保裕一
図書館で借りた。結構うっとうしいというかそういう展開ではありました。悲劇的な方に向かうんだろうなと思いながらもやめられないという話なんですが、あまり読後感はよくありません。


◇東京島 桐野夏生
ハードカバー・新品で購入。ラジオでブックレビューを聞いて「面白そう」と思いすぐに買いました。この人の本を読んだのは初めてですが、なかなか凄いことを考えますね。尻切れトンボにならず、ちゃんと結末まで持って行ったのはさすが。


◇ニート 絲山 秋子
文庫・新品で購入。最後の話の最後のセリフは一生忘れられません。これはお子様には薦められません。


※8月
◇琉球空手ばか一代 今野敏
文庫・新品で購入。刑事もののシリーズで人気作家なんですね。知りませんでした。なんとなくイラストに惹かれて買った感じ。でも面白かったです。「古い型の方が実践的」というのは含蓄があります。


◇闇の子供たち 梁石日
文庫・新品で購入。今年の後半は「迷ったときは梁石日」というのが本選びの基本でした。これは映画でも話題になったので読みましたが、なんともやりきれない悲惨な話。この作者の方が大阪の在日の話以外で小説を書くのを初めて知りました。これまで読んだのは作風が相当違います。結構売れたと思いますが、幅広い層に知って欲しい世界があります。お子様には薦められませんが。


◇さよならの代わりに 貫井徳郎
文庫・新品で購入。この人の小説としては結構明るい方かも。あんまり好きなタイプの話ではありませんでした。途中でからくりを考えて頭の中が混乱したり。


◇銀齢の果てに 筒井康隆
文庫・新品で購入。「さすが筒井先生」というあたりで、陰惨になりそうな話を各々のキャラクターの立て方により、物語として読ませてくれました。やはり天才ですね。


◇カオス 梁石日
文庫・新品で購入。これの主役二人についてはシリーズものになったようですね。それぞれのキャラが立ってて面白いです。

 

※9月
◇90くんところがったあの頃 大槻ケンヂ
文庫・新品で購入。バンドブームにもまれた頃の話で、大槻氏のエッセイの真骨頂でした。面白いです。


◇泳いで帰れ 奥田英朗
文庫・新品で購入。野球の日本代表を追いかけてオリンピックを見に行った話。あまりのふがいなさに「バッキャロー、泳いで帰れ!」と怒ったというのがオチですが、これは北京五輪じゃなくてアテネ五輪の話なんですね。4年前も同じでしたか。


◇雷鳴 梁石日
文庫・新品で購入。歴史小説のような感じで読みました。まぁまぁかな?(←偉そう)


◇あの娘は石ころ 中島らも
図書館で借りた。らも先生のエッセイもいろいろ読んでるので、特に感動はありませんでした。残念。


◇表と裏 梁石日
文庫・中古で購入。裏表紙のあらすじを見て買ってみたのですが、段々凄い話になっていくのが凄い。(って、なんやそれ)


◇ばかたれ 奥居香
前に読んだのを再読。10年ほど前に買った本を再度読み直し。これは面白いので是非文庫にして貰って、みんなに読ませたいと。もうなってるのかな? プリプリ時代にステージで差し歯数本がいっぺんに取れてしまった話は涙が出るほど笑いました。


◇魂の流れゆく果て 梁石日
図書館で借りた。これは梁石日氏が昔過ごした場所や生活についてのエッセイ。「血と骨」とか「族譜の果てに」とか「夜を賭ける」を読んだ人は楽しめるでしょう。


◇断層海流 梁石日
知り合いから借りた。面白いといえばそうですが怖い世界の話。読後感がよくないのがちょっと。


◇家族八景 筒井康隆
図書館で借りた。ご存知七瀬シリーズの第一作。彼女がテレパスの能力を持つに至った説明とかは特にないので、「七瀬ふたたび」を読もうとしている人も特にこちらは読まなくてもいいかも。読んだ直後のレビューはこちら


◇異邦人の夜(上・下) 梁石日
知り合いから借りた。断層海流と繋がってる話で、さらに膨らませて最後は衝撃の結末という大作でした。結構面白いです。


◇放送禁止歌
図書館で借りた。正式なタイトルは忘れましたが、赤い鳥の「竹田の子守唄」とか岡林信康の「手紙」とかそのあたりを取り上げてあります。若い人にも読んで欲しいです。


※10月
◇七瀬ふたたび 筒井康隆
文庫・新品で購入。テレビドラマが始まるってことで読んでみました。家族八景よりはこちらの方が面白いです。


◇ロカ 中島らも
図書館で借りた。らも先生の絶筆で未完の作品。が、面白くないです。これが「ガダラの豚」が未完だったとしたら続きが読みたくて大変ですけど、これはこのままでいいかなぁと。あくまでも個人的な意見ですが。


◇エディプスの恋人 筒井康隆
文庫・新品で購入。七瀬シリーズの最後ですがあまり話題に上らない理由は読んでみてわかりました。つまんないですね。もっとも「七瀬ふたたび」のノリのまま引っ張れば大人気シリーズになったかもしれないのに、それをやらなかったあたり筒井先生の挑戦的な姿勢が見えます。(違うかな?)


◇綿いっぱいの愛を 大槻ケンヂ
図書館で借りた。内容は忘れました。同じような本ばかり読んでます。


◇火車 宮部みゆき
知り合いから借りた。面白いですが、私は先に読んだ「誰か」の方が好きです。結構話題になってる作品ですが、ちょっと展開に無理があるんとちゃうかなぁと思いましてのめりこめませんでした。


※11月
◇ロッキンホースバレリーナ 大槻ケンヂ
図書館で借りた。こちらは小説。大槻氏の小説ではグミチョコパインが大好きだったのでこちらも期待して読みました。音楽業界の内幕を書いたものでもあるのですが、今ひとつ乗り切れず。なぜでしょう。多分キャラクターが好きになれないせいかも。


◇睡魔 梁石日
図書館で借りた。「人はなぜマルチ商法にはまるのか?」という帯の言葉に興味を持って読みました。面白いです。ただ、この人の小説に出てくる大人は昼間っからビールばっかり飲んで借金だらけでも小金が入るとおねえちゃん口説いて、というのがパターンですね。まぁいいですけど。


◇一回性の人生 梁石日
図書館で借りた。自分の小説の内容を例にとって人生論を語るエッセイ。うなづける部分もありそうでない部分もあり。


◇凍える牙 乃南アサ
知り合いから借りた。事件の本筋とそれを捜査する刑事達の人間関係とがあって、なんか集中できませんでした。面白くないことはないですけど。


◇僕の行く道 新堂冬樹
文庫・新品で購入。新堂氏がこういうタイプの小説も書くというのが驚きでした。絡んでくる人がみんないい人なので安心して読めます。猫も可愛いですし。


◇土の中の子供 中村文則
図書館で借りた。芥川賞受賞作ですと。芥川賞受賞作でも特に面白いわけはないという…。読後感の悪さが私にとってはマイナスです。求めているものとは違いました。(だったら読むなという世界ですが)


◇Z 梁石日
図書館で借りた。結構複雑だったので疲れました。面白くないわけではないですが。


◇ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生 山田宗樹
文庫・新品で購入。「嫌われ松子の一生」の続編ってあり?と思ったのですが、実はこれが今年のNo.1。素晴らしい作品です。前作で、松子叔母の生涯を追っていた青年とその彼女のその後を描いたものですが、爽やかな青春小説になりました。もしかしてまた続編があるのかも。ちなみに、映画しか見てない人は小説も読んでみることをお奨めします。原作には光ゲンジなんか出てきません。私はあの映画はまったく許せないので


◇暴いておやりよドルバッキー 大槻ケンヂ
図書館で借りた。筋肉少女帯再結成のあたりの話。大槻氏のエッセイはいろいろ読みましたが、これが一番よかったかな?


※12月
◇ロンリーハート(上・下) 久間十義
文庫・新品で購入。裏表紙のあらすじを読んで「面白そう」と思ったのですが、まったく期待と違ったのがこの本。犯人たちと男性刑事と女性刑事とそれぞれの内面も追いながら場面を切り替えて、という手法なのでしょうが私はどうにも集中できませんでした。偶然にも先月読んだ「凍える牙」と被る感じがしたのも残念。


◇お引越し ヒコ田中
文庫・新品で購入。もっと泣ける話かと思ったらそうでもなかったです。作風が馴染めず感動できず。


◇ただいまこの本品切れです 鈴木廉也
図書館で借りた。書店の内幕を描いたというと大げさかもしれませんが、事情がよくわかりました。雑誌の付録を本の間にはさんで輪ゴムを掛けるというのは本屋さんがやってるんですね。考えてみればそうなんでしょうけど、初めて知りました。それが数が合わなかったりすることを考えると…、本屋でバイトするのはやめました(笑)


◇世に棲む日々(一) 司馬遼太郎
文庫・新品で買った。幕末の歴史を勉強しようと、その筋に詳しい人に聞いてみたらいくつかの本を紹介され、まずはこれから読むことにしました。丁度吉田松陰について興味を持ってたところなのでこれがバッチリです。数ヵ月後には幕末オタクになっていることでしょう。いよいよシバリョーワールドに突入ということで、シバリョーの次は多分スギリョーでしょう。(本当か?) これは全4巻なのでいいのですが、「翔ぶが如く」は全10巻なんですね。なかなか手ごわそう。


◇うたうひと 小路幸也
図書館で借りた。音楽関係の短編集です。この作者については全然予備知識がなかったのですが、最初の話をパラパラッと読んでみて面白そうだったので借りました。面白くないことはないのですが、なんか音楽業界の話を断片的に拾ってきたという感じがするのがちょっと抵抗ありました。まぁ難しく考えなければ楽しめます。

 

 一番本が読めるのは電車での移動中なのですが、今年は出張が少なかったのとバンドの練習も昨年より少なかったかも、ということで数だけいうと伸びませんでした。もちろん体調不良と仕事が後半忙しくなったのもありますが。

 今年後半のベストは「ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生」で決まり。年間のベスト1も同じくです。一応目標は100冊ということにしてたのですが、現在のところちょっと足りません。あと4日で到達するかどうか。

 現在読んでいるのは図書館で借りてきた「蟹工船」。あとは「世に棲む日々」の続きも気になるので読まねばならんと。それと途中まで読んで中断してるのが「吾輩は猫である」。これもなんとかしたいと。

 全般的には図書館比率が高かった年でした。自分では経済的事情と持ち運びを考えて文庫本しか買わないので、新しいのはあまりわかりません。今のところ好きな作家というと、奥田英朗、垣根涼介、山田宗樹でしょうか。

 本を読むことでいいのは想像力が豊かになることでしょうか。自分の知らない世界のことをいろいろと感じられるようになるというのはありますね。来年も良い本にめぐり合えますように。