今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

マーチンの時代というと

2021年07月25日 | ギターと楽器のこと
 
 3番 井上タイムリ~ 4番 マーチン ホ~ムラン~♪ という話題を期待した人はごめんなさい。私にとってマーチンというとギターの話です。

 マーチンギターというと、添付画像の通り世界最高峰のアコースティックギター。それで、なんか「C.F.Martin」という文字を見かけると思ったら、これは創業者「クリスチャン・フレデリック・マーティン」の事なんですね。

 昔は海外の偉人の話を聞いても「ふ~ん」と思うだけだったのですが、今はその時代の日本はどうだったのだろうと考えるようになりました。それで調べてみたら、このクリスチャン・フレデリック・マーティンが生まれたのは1796年。日本で言うと江戸時代で、年号は寛政、将軍は第11代徳川家斉でした。この年に生まれた人は鳥居耀蔵、亡くなった人は田沼意次。「お~、あの年か」と思った人は上級者(?)です。

 そのクリスチャン・フレデリック・マーティンの生涯をすごく端折って書くと、今でいうドイツで生まれ、ウイーンの工房に弟子入りしてギター製作に取り組み、結婚してドイツに戻ってギター工房を始めたものの、様々なもめ事に巻き込まれて、1833年に新天地を求めてニューヨークへ移住したと。なので、この1833年が現在も続くマーティン社の創業の年とされているそうです。

 ちなみに1833年というと、日本では歌川広重が『東海道五十三次絵』を描いた年だそうです。この年に生まれた人は大鳥圭介ですが、あの「おもろい夫婦」の鳳啓助ではありません。ポテチン。

 そして、1850年にはあの「Xブレーシング」が考案されたそうなので、今も続くマーティンギターの基礎は初代が作ったということになるでしょう。天才的なアイディアマンだったのか努力の人だったのか。

 その1850年というと、浦賀にペリーの黒船が来る3年前。いわゆる幕末ということでありますが、この年の12月には高野長英が亡くなってますね。高野長英の生涯を正しく言える人は少ないと思いますが、吉村昭先生の「長英逃亡」という本は凄く面白いので皆さん是非お読み下さい。

 そしてこのマーティン1世の亡くなった年は諸説ありますが、1873年のようですね。日本でいうと、岩倉使節団が帰朝した年で明治6年の政変のあった年でもあります。日本は既に明治になってますが、激動の時代ではありました。

 調べてみたら、この年に亡くなった人は鳥居耀蔵。ということは、鳥居耀蔵とクリスチャン・フレデリック・マーティンは生年と没年が同じだったわけです。マーティンは人気者ですが、幕末の歴史ファンで鳥居耀蔵が好きという人は見た事ないわけで、ここは好対照。なお、昔見た「天下堂々」というドラマで鳥居耀蔵を演じてたのは岸田森だったので、私の中でのイメージは完全にあの人です。

 ということで、マーチンの時代を調べてみた話でした。ギター弾きにとってマーチンは憧れではありますが、私は実際に弾いてみたのは2回くらい。どちらも知り合いが持ってたのを触らせて貰ったのですが、なんか怖くてそ~っと弾きました。なので、鳴りがどうとかはわからず。

 そんなことなので、私は別にヤマハでいいです。が、次に買うとしたらヤイリにするかも。とはいえ、ヤマハのアコギもヤイリのギターも元々はマーチンのギターの模倣から始まったのでしょうから、クリスチャン・フレデリック・マーティン氏には敬意を表するものであります。この人の生涯とかその後の一族の物語は大河ドラマにして欲しいですね。

 なお、一応説明しておくと、本日の画像は1977年のヤングセンスという雑誌に出ていた解説なので、価格その他は今の話ではありません。あしからず。