今日のひとネタ

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「本物のボトルネックのスライドギター」と聞いて

2021年07月27日 | ギターと楽器のこと
 
 あれは中1の頃。雑誌のアルバム紹介に憂歌団が紹介されてて、「本物のボトルネックのスライドギター」と書いてあるのを見て「ん?」と。ギターはわかりますが、「ボトルネック」「スライドギター」というのがわからず。

 それで、当時部活の先輩でエレキギターを弾いてる人がいたので、聞いてみたところ「あ~、スライドギターっちゅうのは口紅のキャップとかを指にはめて…」と弾く真似を見せてくれました。

 で、さっそく家に帰って母親の鏡台から口紅を拝借して指に装着。(この時は何指だったのかは忘れました) で、弦の上を滑らせながら弦をはじいてみると、あら不思議。ハワイアンのスチールギターのように「ウニュ~ン」と音が滑らかに変化するではありませんか。

 「おお、これは面白い」と思ったものの、その先輩はデレク&ドミノスの「レイラ」を教えてくれるわけでも、ジョージハリスンの「My Sweet Load」を聞けと言ってくれたわけでもなく、ちゃんとしたフレーズは弾けず。「ふ~ん」という感じだけ。

 が、そんなとき甲斐バンドの「英雄と悪漢」というLPのクレジットで、大森信和さんのところに「Slide Guitar」の文字を発見。「あ、サイドギターじゃなくスライドギターだ。」と。ただ、これはなかなかわかりにくく、多分「昨日のように」のソロがそうなんでしょうが、「これぞスライドギター」という感じではありません。

 その甲斐バンドでは、次の「ガラスの動物園」というLPの「新宿」を聞いて「んぉおっ!」と。「そっかー、こういう風にやるんだ。」と理解した次第。あれは非常にわかりやすいですね。

 なお、冒頭の「本物のボトルネックのスライドギター」という表現ですが、これは若干わかりにくいです。ボトルネックというのは、ウイスキーの瓶のネックを切ってというか割って指にはめてやる奏法であり、その道具そのものも指します。そしてスライドギターというのは奏法自体をさすわけで、「本物のボトルネック」というのは金属製のスライドバーを使うのではなく、本物のガラスの瓶を使うという意味だったんですね。

 デレク&ドミノスのデュアン・オールマンは愛飲のバーボンのボトルを使ってやってたという話があるのですが、憂歌団の内田勘太郎さんはカルピスの瓶でやってたとか。それも綺麗に切るのではなく、パーンと割って先端部だけ使ってるというのをインタビューで見ました。あの人は小指にはめてましたが、「形が悪いから小指にしか入らん」のだそうです。

 スライドギターは名手と言われる人があちこちにいて、ブルース系の人に多いのですが、隠し技として練習しているギタリストは多いですね。というか、エレキギター弾きで試したことのない人は少ないのではないでしょうか。

 最近目にしたのは、石川ひとみさんのライブDVD「わたしの毎日」で山田直毅さんが「もんしろちょう」という曲の間奏でやってました。1ステージで1曲だけ、それも4小節とか6小節だけ弾いてキッチリ決めなくてはならないので、結構プレッシャーはありそう。

 ちなみに、私はご覧の通りの金属製のバーの愛用者です。ガラス製のも持ってるのですが、それだとアコギではキコキコする感じがするのでダメで。とはいえ、ほとんど弾けません。憂歌団の「10$の恋」とか軽やかに弾けるとカッコいいですけど。

 そういえば、私は小指派ですけど、実際どの指にはめる人が多いのでしょう??? ジョージ・ハリスンとかは実際の映像見たことないですし。