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いいかどうかは自分で決める その1>ヤングギター1977年11月号掲載の新譜

2022年04月23日 | 昔の音楽雑誌の話

 

 先週の記事の続きで、雑誌ヤングギター1977年11月号で紹介されていた新譜をSpotifyで探して聞いてみるという企画です。ただ、アルバム丸ごと聞くと1枚につき40分くらいはかかるので一気にはできません。なので何回かに分けましょう。今回は1回目。

 掲載順に上から行きますが、もともと所有していたアルバムは除きます。では早速どうぞ。

◇ドゥービー・ブラザーズ/運命の掟

 ドゥービーはヒット曲しか知らないのですが、このアルバムは結構さらっとした感じでした。キャリアの長いバンドはいろんな曲がありますね。


◇クローラー/毒牙

 そもそも英語のグループ名や曲名をカタカナ表記にするのは、あとになって検索するのに困ります。この新譜紹介ではグループ名もアルバム名も英語表記がなく、「このアルバムかなぁ?」というのはジャケット写真を見比べないとわかりません。で、記事の写真は白黒で見づらいと。おまけに今回の新譜紹介では邦題が「毒矛」となっていたのですが、実は「毒牙」でした。そりゃ、わからんわ。

 ただ、曲はかっこよかったです。前半がライブなのですが、リズム隊がバッチリなので聞いてて気持ちいいです。おまけに、ロックなのにベースはスラップがギンギンでアクセントもあり。ボーカルも、低い声はちょっとイアンギランのような感じでかっこいいし。ただ、ドラムの音が割と軽かったのは時代のなせる業でしょうか。


◇リー・リトナー&ジェントル・ソウツ/ジェントル・ソウツ

 1曲目の「キャプテン・カリブ」はアールクルーで聞いたのが最初でしたが、曲自体がかっこいいのでこのアルバムでの演奏も素晴らしいです。中学生の頃に聞いてたら、このかっこよさに気づけたかどうかはわかりませんが、今聞くと最高。ちょっと試聴するつもりが、そのままアルバム最後まで聞いてしまいました。CD欲しいくらいです。


◇ティーズ/青春の暴走

 カナダのバンドらしいです。ギターの音が良くてかっこいいけど、まぁ聞くならKISSとかも同じ感じだし、まあワシはいいですわ。多分当時も同じことを言われたのでは?と。 あとはロックなのにスネアの音がトコトコ言ってるのがちょっと雰囲気が違いました。


◇ダニエル・センタクルス・アンサンブル/リンダ・ベラ・リンダ

 英語の表記は「Daniel Sentacruz Ensemble」なのですね。アルバムはなかったので、そのタイトル曲だけ聞きました。イタリアのグループらしいですが、曲もいいしコーラスも決まっててすごく面白いです。ママス&パパスをファンキーにしてような感じとも言えます。ただ、中学生の頃に聞いてたら、面白さがわかったかどうか。


◇リンダ・ロンシュタット/夢はひとつだけ

 この人については説明の必要はないでしょうが、このLPも大ヒットアルバムなんですね。1曲目があの「It's so easy」ですし。

 当時は聞いてなかったのですが、今聞いてみると全般的に歌も演奏も申し分なし。中学生の頃に聞いてたらファンになってたかも。そして同級生に「お前リンダ・ロンシュタットなんか聞いとるんか?」と言われて、「それの何が悪い!」とケンカになったりしたかも。もちろん妄想です。


◇チープ・トリック/青ざめたハイウェイ

 80年くらいになってからギター雑誌でよく見かけた存在ですが、当時はなぜかまったく聞きませんでした。が、今聞いてみると結構いい感じですね。人気があったのもわかります。なんかの洋楽ヒットのオムニバスでライブを聞いたことがあるのですが、あれがすごく楽しかったです。このアルバムに入ってた曲なのですね。ちょっと他のアルバムも聞いてみたい感じです。


◇佐井好子/胎児の夢

 この人は名前だけ知ってたのですが、歌はすごくうまいです。もっとしんみりししたフォーク調の曲かと思ったら、ニューミュージック風というよりはジャズロック風のアレンジだったのが意外。そして、これが大野雄二先生の編曲ですって。ふ~む、さすがにかっこいい。

 歌声は山本潤子と茶木みやこの中間みたいな感じ。(意見には個人差があります。) ただ、本人の雰囲気とか歌詞がおどろおどろしく、何よりこのアルバムは夢野久作の世界を素にしたとか。ご本人は江戸川乱歩のファンで、小栗虫太郎、橘外男、久生十蘭、横溝正史などの幻想文学作家の小説を多数読破したそうで、それが本当なのか売り出すためのネタなのかはわかりません。当時聞いてたとしても、中学生には難しかったでしょうね。


 まず第一弾はここまでですが、この当時の音楽で好きなのが多いから「気に入るものがあるかも。」と思ったら、確かにそうでした。邦楽ではSpotifyにないものがあるのが残念ですが、洋楽でちゃんと日本向けの盤が発売されるようなのは色々な人のチェックを通過してるせいか、どれもクオリティが高いですね。まだ打ち込みがない時代で、メロディや楽器の音色にこだわり、そもそもがうまいボーカルにコーラスで味をつける工夫をしてるあたりが楽しいのかも。とにかく、いろんな音楽が聞けてまずは大満足です。ヤングギターにもSpotifyにも感謝。