以前入手したヤングギター1978年10月号にて、甲斐バンドの大森信和さんのレスポールカスタムについての話を見ましたが、昨年秋からYouTubeで始まった「田中一郎のギターアッパーカット2」で追加情報を得られました。
一郎さんによると、このギターは記事にある通り当時のミュージックライフの編集長がアメリカで入手してきた事に間違いないと。ただ、本当にKISSのエース・フューレイが使ってたかどうかはわからないそうです。
動画では入手時期ははっきりしなかったのですが、この記事は1978年10月号なので、その年の夏頃の取材でしょう。文中ではその2年程前に入手したということなので、恐らく1976年の夏に大森さんの手元に来たものと推察されます。時期としては「ガラスの動物園」の発売前。
一郎さんの話では、大森さんはデビューする際グレコのレスポールからギブソンのレスポールに変えようと東京の楽器店を回り、本当はスタンダードが欲しかったけど丁度良いのがなかったため、「100%満足じゃないんだけど。」と言いながらミニハムバッカーのレスポール・デラックスを入手したとのこと。
甲斐バンドの初期の動画を見ると、「裏切りの街角」でゴールドトップのレスポールデラックスを持ってますが、あれはそのギターなのでしょう。それで「らいむらいと」と「英雄と悪漢」をレコーディングし、「ガラスの動物園」もまずそれで演奏。
そして一郎さんの話によると、このレスポールカスタムを入手してから、まだ間に合うものは演奏し直して差し替えたのだそうです。動画では時期やアルバムは特定してなかったのですが、「テレフォンノイローゼの間奏とか」と言ってたので間違いなく「ガラスの動物園」の事でしょう。
それ以来、このタバコサンバーストのレスポールカスタムは大森さんのメインギターになり、ステージではずっと使われていました。ライブアルバムの「サーカス&サーカス」のジャケットでも確認できますね。
一郎さんによると、当時の大森さんのサウンドはこのレスポールカスタムとMXRのDISTORTION+がなければ再現できないだろうとのことです。LP「ガラスの動物園」の「悪いうわさ」はどっちのギターかはわからないのですが、1stや2ndのジャキジャキと尖った感じと違って、若干ゴリッとしてるようにも思います。4thの「この夜にさよなら」や次の「誘惑」、そして「HERO」などは間違いなくレスポールカスタムでしょうね。そういえば、ザ・ベストテンに出た時の映像でもこのギターが確認できます。
ということで、大森さんの初期のギター事情がわかって少々すっきりしました。ちなみに、この写真のレスポールカスタムは今は一郎さんのところにあるそうです。メチャメチャ重いそうですが、大森さんはあの細身の体でこのギターを抱えて年間100本くらいのツアーをずっと続けてたわけで、やっぱり偉大な存在です。
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