今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

バラードをあなたに

2012年05月10日 | 日記・雑記
 以前リズムボックス付のラジカセを所有しておりました。内蔵されてたリズムは、ロック、16ビート、シャッフル、バラード、ボサノバ、ワルツの6つ。それぞれボタンがあるのですが、2つ以上一緒に押すとミックスされるという妙な機能もあり。ためしに全部一緒に押してテンポを最速にしてみたら異次元にトリップできそうな感じでした。

 それはさておきそれぞれがどういうものかというと、ロックは「ズッタタズッタ」という遠足ロックンロール御用達のリズム。シャッフルは、「それってシャッフル?」と芦原英幸モードに入ってしまう感じで、「チータッタ チータッタ」というピンクパンサーのリズムでした。このラジカセを作った人はどうしてもスペクトラムをやりたかったのでしょう。(本当か?) ボサノバ、ワルツは普通としてバラードはというと結構バシャバシャうるさい感じの3連。ダウンタウンブギウギバンドの「涙のシークレットラブ」のイントロのリズムそのままでしたが、知らない人はどっかで聞いて下さい。

 そんなリズムボックスだったのですが、何しろ当時はいたいけな中学生だったので「ほぉ~これがバラードっちゅうもんですか」と、バラードは3連の曲でないとダメだと思い込んでしまいました。当時一番よく聞いた「バラード」とつく曲は「虹と雪のバラード」でしたがあれはオッケーで、次によく聞いたのがタイガーマスクのエンディングテーマである「みなしごのバラード」。あれなんかは3拍子ですので絶対許せませんでした。

 今日のNHKFM「歌謡スクランブル」は最初からこの「バラード」のタイプの曲が続き、ビギンの「恋しくて」、プリプリの「ジュリアン」、チャゲアスの「ムーンライトブルース」と連発でした。ちなみに「ジュリアン」というのはプリプリのギターの加奈ちゃんの飼ってたニャンコの名前です。たしか。で、チャゲアスの曲はとにかくお姉ちゃん泣かそうという意図が見え見えの上に、なんともベタベタな感じのタイトルがいけません。なんでバラードなのに「ブルース」なのよ、と中学生の頃だったら局に抗議の電話をしてたかもしれません。ああいう曲はチャゲアスだからありなんでしょうが、普通にいけばムード歌謡ですね。

 ところでそうやって3連というか8分の12拍子の曲をすべてバラードと呼ぶのなら、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」とか「能登半島」もバラードということになるのでしょうか? 以前篠原ともえが「とっても素敵なバラードなんです」と言って猫の「地下鉄にのって」をカバーしてたこともあるので、自分でバラードと言えばなんでもバラードになるのかもしれません。が、セーラームーンが「セーラー服美少女戦士!」と言うのを聞いて「自分で『美少女』というのは何事だ! 親のしつけが悪い!」と怒ってた人もいたので、そういう人には通じないでしょう。

 そういえば、「バラードをやります」って言ってロッキーのテーマを演奏してたバンドもありましたなぁ…。

そろそろ準備しないと!

2012年05月09日 | 日記・雑記

 来週月曜からCSのチャンネル銀河で大河ドラマ「翔ぶが如く」が始まりますのでぼちぼち準備をしておかねばなりません。GW中にやっておければよかったのですが、うちのHDDレコーダーは番組表での予約は1週間先までなのでできなかったと。って、これってどの機種でもそうなのでしょうか? 同じくチャンネル銀河での「価格破壊」は18日からなのでこちらはまだ無理です。

 5月はこんな感じですが6月はというとめぼしいのは無し。録画だけしててたまったのを見ろってことですね。んあ~。


究極の内輪ウケは今もまだ

2012年05月08日 | ラジオ番組の話題

 ラジオNIKKEIのサイトで「『ヤロメロ35周年』公開生放送」のオンデマンドが公開されています。ヤロメロが何か知らない人はどっかで調べて下さい。私が聞いてたのは1978年の秋からですので、始まってから1年半ほどしか経ってなかったようですが、その時点で既に強烈な内輪ウケ番組になってたので、私も馴染むまでに時間がかかったという印象があります。


 今となってはどんなきっかけで聞き始めてどんなコーナーがあったのかもあまり覚えてないのですが、一番はあのオープンスタジオの雰囲気が「なんかわからんけど楽しそう」と思ったことでしょうね。なにしろ初めて聞いたときには既に大橋さんは妊娠中で、ほどなく産休になったため、その間3ヶ月ほどいろんな人が代役をやってた記憶があります。斉藤洋美さんが曜日を増やしたり、大橋さんの兄嫁の方とか、デビュー間もない高見知佳さんとか。そんな状況だったので、私は「ヤロメロ=大橋照子」という感覚だけではないです。実際ハガキ送ってたのは斉藤洋美さんがほとんどでしたし。


 当時既にラジオオタクだったのは間違いないですが、ああやって女性DJの話ばっかり聞いてたから今も耳が肥えてるんですのよ。ホホホ。今だと声とか話し方で言うとDJマッピーが好きなんですが、ストリーム終わっちゃったしなぁ。


 当時のことを思い出そうと思ってWikipediaを見たのですが「4時のふれあいスタジオ」という番組名だったこともあり、その部分の記述がごそっと抜けてますからよくわからんですね。坂下裕子さんなんて名前も出てこないし。坂下さんの曜日にはツービートがレギュラーで出てたりもしたのですが。


 さて、今回の記念放送のオンデマンドですが、聞いてみると懐かしくて一気に聞いてしまいました。大橋さんも最初は「なんか感じ変わったかなぁ」とか思ったのですが、途中からエンジンかかった感じで最高です。スタジオの雰囲気も伝わってきて究極の内輪ウケは健在でした。ま、当時を知らない若い人はまったく入り込めない世界でしょう。若くなくても「大橋照子ってだれ?」という場合は無理でしょうし。とりあえず興味ある方は是非。5月一杯は聞けるようです。


昔はジョニーも良かったが

2012年05月07日 | ラジオ番組の話題

 NHK-FMでお馴染みの「とことん」シリーズですが、今月は「とことんアナタの名前で出ています」というのをやってます。5月1日から始まってたそうですが、今日の再放送で初日を聞きました。古今東西のいろんな人の名前が入った曲の特集ですが今日はというとジョニー。

 今回のオンエア曲は以下の通り。

01. Johnny B. Good / CHUCK BERRY
02. Johnny Get Angry / JOANIE SOMMERS
03. Johnny Angel / SHELLEY FABARES
04. Empty Garden (Hey Hey Johnny) / ELTON JOHN
05. Who's Johnny / EL DEBARGE
06. 悲しみジョニー / UA
07. まぬけなジョニー / エレファント・カシマシ
08. ジョニィへの伝言 / ペドロ・アンド・カプリシャス
09. Johnny One Note / JOHN PIZZARELLI
10. Frankie and Johnny / ANITA O'DAY
11. Johnny Boy / GARY MOORE
12. Johnny / NANA MOUSKOURI

 私が思いついたのは「ジョニーへの伝言」「ジョニーの子守唄」「波乗りジョニー」などですが、ジョニーは競争率激しいようでアリスと桑田さんはかからなかったです。あとは「ご機嫌ななめ」は…ジョニーじゃなかったような…。

 で、「Johnny B. Good」は私の年代だとなんといっても「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のダンスパーティーの場面の印象が強いです。なんかもう1曲やれと言われて「リズムはブルース、Bで入って合わせてくれ」って言って始めるの。あれを見てかっこいいとは思いつつ、ちゃんとコピーしたことないのでいまだに弾けませんわ。

 なお、そのちょっと前にはアナーキーもこれをやってました。「昔はジョニーも良かったがー 今じゃー俺たちアナーキー」と。ただ、どっちかというと憂歌団の方がアナーキーだったような気もします。ということで興味のある方は聞いてみて下さい。実を言うと私はあんまり…。


貞子です…

2012年05月06日 | 映画

貞子です…
VHS再生機器が減って最近あまり呪えません…

貞子です…
ワンセグの画面は小さくて出づらいとです…

貞子です…
松嶋サダコ…。ちょっと言ってみただけとです…

貞子です… 貞子です… 貞子です…

 

 GW最終日だというのに日本映画専門チャンネルでは「リング」「らせん」「リング2」と連続して放送してました。娘2号はこれまで見たこと無かったらしく興味津々。怖がって泣くかと楽しみにしてたら、妙に楽しんでやんの。考えてみれば、リストラの恐怖もなく女子校なのでセクハラに遭うこともなく借金取りに追われることもないので、こういう女子高生くらいが世の中でもっとも怖いもの知らずなのかもしれません。今はまた「貞子3D」でブームになりつつありますから、元ネタを知らない世代が遡って作品を見たりするとまたまた商売になりそうですね。

 それにしても「リング」が公開されてから14年ほど。世の中いろいろ変わってますので、恐怖新聞も電子版になってるでしょうし、インフルエンザの流行でマスクしてる人がやたらと多いから口裂け女も目立てず、呪いのビデオというネタも新しい展開が必要でしょう。手っ取り早いのは動画共有サイトでの「呪いのURL」でしょうが、そういうのはもう3千人くらいの人が考えついてるでしょう。

 ということで、今日は既に古くなったネタを組み合わせる技を使ってみました。ついでに「ヒロシ3D」とかいうのはありでしょうか? まぁあの人は立ったままつぶやくだけですから、3Dにしたところでいっこく堂のCDくらいのインパクトにしからならんでしょうが。そういえば、CSの「ザ・シネマ」では「エクソシスト」をやってたのですが、GW最終日にそんなのばっかやらんでも。


熱狂のケバブ

2012年05月05日 | 日記・雑記

 今日は妻と娘2号のお供で都内へ。行き先は深川方面だったのですが、折角だからと国際フォーラムにも寄ってみました。現在「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭 2012」開催中で今日は最終日。一度行ってみたいと思ってたものの、毎年GWはいろいろ予定が入ってて今回が初めての体験。とはいえ、行ったのが既に夕方だったので見たのは地上広場の無料コンサートのみ。

 「野郎5 with 高橋ドレミ」というのだったのですが、野郎5はこの春東京音大を卒業したばかりのトランペット5人組だそうです。ラッパが5人と聞くとチェイスとかザブーンとかを想像しますが、もちろんやってる音楽は違います。ピアノとトランペット5重奏で夕暮れの会場に素敵な音を響かせてくれました。

 その演奏を聞いてから腹ごしらえをしようと屋台をチェックすると、一番人気はなぜかケバブ。他の屋台は待ち時間なしなのがここだけ行列になってました。ケバブという名前は聞いたことありますが食べたことないので早速チャレンジ。熱狂の(?)ケバブ丼は美味でした。屋台なのに大きい肉をそぎ切りしてくれるのが視覚的にも魅力です。

 さて、ケバブとは何かというとトルコ料理だそうですが、調べてみると今回のようなのはドネルケバブというのが正しいようですね。昔は「シシカバブー」というのを聞いたことがあって、最初に耳にしたのはパンシロンのCM。

 「すき焼き、ふぐちり、ボタン鍋、グラタン、マカロニ、ナポリタン、サーロインステーキ、シシカバブ パンシロンでパン!パン!」というのがあったのですが、何かが足りないと思ってたら記憶力の素晴らしい人はいるもので、全部書いてあるサイトがありました。正解は「天丼 カツ丼 親子丼 すき焼き フグちり ボタン鍋 グラタン マカロニ ナポリタン サーロインステーキ シシカバブー パンシロンでパン!パン!」でした。

 ところで、このケバブとシシカバブは同じ物と考えてよいのでしょうか? あちこち調べてもよくわからなかったのですが???


金で解決ヴァイヤイヤイ

2012年05月04日 | ブックレビュー

 「柔道一直線」のドラマは見てたのですが「ニッポンジュードー ヨワーイ!」という外人が誰かはよく覚えてませんでした。今回図書館から「夕焼けTV番長」という本を借りてきたら「柔道一直線」についてのコラムがあったのでようやく全貌が見えてきました。


 これは「世界選抜少年柔道大会」というものが開催され、世界から柔道少年が集まることになったというもの。その中で「ジュードーサタン」なるオランダ選手が覆面で現れ、続いて西ドイツの選手も覆面で現れたとか。オランダ柔道界のルスカ、ヘーシンクの影響がこの辺に出てたのでしょうか?


 この外国人柔道家が主人公一条直也の師匠「車周作」にコーチを頼むというストーリーだったようですが、車が一条に札束を見せて「これには弱いからな」と言うんですって。子供向けに見えてなかなかシビアなストーリーですね。現代だったらほりえもんが車周作役をやりそうなもので、もったいないという他はありません。こうやって一見子供向け風にしながら「実際の社会では金がものをいう」というのを教えようとしたドラマだったのでしょう。子供の頃は柔道のルールもよくわからないまま見てたのですが、スポーツの世界も奥が深いです。この本のおかげでいろいろ考えさせられました。「金で解決」とは言いつつ、図書館で借りてきたので一切金はかかってませんです。すいません。


 ところで車周作の必殺技というと「地獄車」ですが、あれって一旦引き込んで倒れた時点で「一本!」とはならないのでしょうか????


あの曲のあのギターもこの人

2012年05月03日 | ギターと楽器のこと

 BS12の「Guitar Stories ~情熱のギタリスト列伝~」を見ました。番組表を見て放送開始の10分くらい前に気づいたのでこれも神様のお導きでしょう。今回のゲストは吉川忠英さん。ご存知アコースティックギターの達人ですが、ご本人が参加したレコードについて紹介してました。


 有名なところではイルカさんの「なごり雪」。当時のスタジオミュージシャンはジャズ系の人が多くてスリーフィンガーができない人も多かったので、その点石川鷹彦さんとか吉川さんが重宝されたのだとか。このレコーディングに呼ばれて行ったら、ドラムは村上ポンタ氏、ベースは後藤次利氏だったとか。吉川さんはこの当時ジェームス・テイラーに感化されてたので、ほとんどなりきって弾いたのだとか。


 あとは山本コータローとウイークエンドの「岬めぐり」を披露したり、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」もこの人。イントロが印象的です。中島みゆきさんの「わかれうた」は、歌真似まで披露しての演奏でした。(結構似てます) 


 で、スタジオミュージシャンは作曲家、編曲家の好みで呼ばれることが多く、秘話として「気絶するほど悩ましい」も弾いてました。あれは作曲と編曲がチャーじゃないので、梅垣さんのご指名でレコーディングのアコギは吉川さんなのですと。「チャーじゃなくてチュウでした。」ですって(笑)


 それ以外でもこの当時のレコードではかなり吉川さんの演奏を耳にしてるのでしょうが、私がハッキリ覚えてるのは高見知佳さんのファーストアルバム。アイドルのレコードとしてはきっちりミュージシャンのクレジットがあるのが珍しいかもしれません。そのときのメンバーは、ドラム:田中清司、ベース:高水健司、エレキギター:矢島賢、ピアノ:羽田健太郎、キーボード:篠原信彦、というラインナップだったと思います。これに加えて吉川さんがアコギでした。まぁほぼ筒美さんの曲ですから。あとはマザーグーズのアルバムも吉川さんとラストショウの演奏でしたからかっこよかったですね。


 ということで、今日もアコギの凄い人を見られて幸せです。吉川さんはそんなに爪が長くないような気がしますが???


森林公園のゆるキャラかと

2012年05月02日 | 日記・雑記

 昨日の記事で森林太郎の話をしたのですが、漢字で書くと「シンリンタロウ」と読みたくなってしまいます。これは森林公園の新しいゆるキャラで「レンタサイクルに乗ってる男の子」とか想像する人もいるかもしれません。あるいは「モリバヤシ・タロウ」と読んでしまうひねくれものもいるかも。

 また、漢字の見た目からすると元タイガースの森本太郎氏を連想する人もいるでしょう。森本太郎氏自体は平凡な名前ですからあんまりスターっぽくないのですが、この人は「森本太郎とスーパースター」というグループをやってたくらいなのでスターには間違いありません。このグループの曲というと、必殺シリーズ第三弾「助け人走る」の主題歌「望郷の旅」しか知らないのですが、他にヒット曲あるのでしょうか? そもそもがどういうグループかまったく知らないのですが。

 ということで、森林太郎は「森 林太郎」と書くのがいいかと。また、森進一氏の物真似タレントで「森進五」という人がいましたから、きっと「森鴎内」とか「林鴎外」という芸名で森鴎外の物真似を持ちネタにしている芸人もきっといるはず。今となっては誰も森鴎外に似てるかどうかわからないという問題はありますが、今の若い人に田中角栄とか嵐寛寿郎の物真似を聞かせるようなもんですから、まぁ面白ければいいでしょう。森鴎外って面白いかなぁ…。


森林太郎め!

2012年05月01日 | ブックレビュー

 吉村昭先生の「白い航跡」(講談社文庫 上・下巻)を読みました。今日はネタバレバリバリですので、これから読もうとしてる人、あるいは途中まで読んだ人はすっ飛ばして下さい。これを読んで興味を持ち読んでみたいという人が出てくれば幸いです。

 舞台は幕末というか維新の時代から。主人公の高木兼寛がどういうことをやった人かを簡単に説明すると
・日本で初めて脚気の予防に成功
・東京慈恵会医科大学を創設
というのが最も大きい功績かと思います。(もちろん他にもいろいろあるのですが)

 元々大工の家に生まれた彼が医者になれたのは当時としては凄いのですが、薩摩藩の軍医として戊辰戦争に従事した際に戦闘で傷ついた兵を手当てする術が自分には何も無いことを痛感し、イギリスの医学を学ぼうとするあたりから始まります。

 のちに海軍に入った彼はその能力を認められイギリスに留学し(なんと!)、そこで猛勉強に励み主席を何度も取るほどの優秀な成績を収め(すごい!)、内科、外科などの当時の一流の技術を身につけます(やったぜ!)。

 やがて帰国した彼は海軍の軍医として活躍し、その技能が認められ海軍軍医総監となります。(よっ、日本一!) ときに軍人の病死原因として最大の問題であったのは「脚気」であり、彼はその治療と予防にも注力します。そしてその原因が軍人の白米至上主義による食生活にあるのではないかという考えにいたり、海軍の食生活改善を提案し脚気を撲滅するに至ります。(やるじゃねぇか)

 しかし当時の日本の軍隊は、海軍=イギリス医学、陸軍=ドイツ医学という流れで医学の分野では対立していました。そんな折、ドイツ留学から帰った若い軍医が「脚気は細菌感染による伝染病だ」という学説を発表し兼寛と対立します。純粋な医学の話だけではなく問題は陸海軍の面子まで絡んだ意地の張り合いに発展するのですが、その若い軍医というのが森鴎外こと森林太郎なんですね。この人はドイツで舞姫とワッチコンワッチコンしてただけかと思ったら、こんなトンデモ学説を唱えてたのでした。私は恥ずかしながらそんなことはちーとも知らなかったです。

 さて、脚気は食生活によるものか細菌感染によるものか、どっちの説が正しかったかのかは今ではみんな知ってると思いますが、もし知らない人がいたら是非この本を読んで下さい。一応結末は書かずにおきましょう。これは吉村昭先生お馴染みの逃避行ものでも漂流ものでも冒険ものでもありませんが、幕末~維新~日清戦争~日露戦争までさらっとおさらいできる上に、いわゆる「歴史ロマン」という分野なのでこれは相当楽しめます。当時の日本で脚気がいかに恐れられていたかというのもわかります。上下巻とも581円(税別) どーですか、お客さん。