久々の宮部さん
1994年4月刊行(初期の短編集)
・地下街の雨
・決して見えない
・不文律
・混戦
・勝ち逃げ
・ムクロバラ
・さよなら、キリハラさん。
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窓際の女性はすらりとした脚を組むと、かたわらに置いてあったバッグから煙草を取り出した。ヴァージニア・スリムのメンソール。細身のライターで火をつけると、それをゆっくりとふかしながら、曲に合わせて、つぶやくように歌い始めた。
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こういう描写がよくて、昭和が輝く物語が読みたくなる。
宮部みゆき
『スナーク狩り』★★★★
表紙を見るとハードボイルド風(単純に)
裏表紙を読むと・・ん?スナークって何?
笑っちゃうけど読み終わるまで→『スネーク狩り』だと思っていた。
我ながらやはりどこか抜けている。
ヘビ・・snake そうなるとDJ Snakeが浮かぶ(好き)
Major Lazer & DJ Snake - Lean On (feat. MO) (Official Music Video)
DJ Snake - Encore
そう話が飛ぶ飛ぶ(汗;)
逃避行みたいな旅情サスペンス風
それも読んでいて危うくなくて安心出来るのがよい。
容赦ないお話はいらない。そんな気分
それでも最後にみんな引き寄せられるかのように対峙する場面は手に汗握る。
展開にどきどきして「もしかしてこれは久々の★★★★★!?」なんてね(笑)
昨夜はANTENORでイヴイヴ♪
宮部みゆき
『返事はいらない』★★★★
短編が続くと集中力にかけるような?
その中だるみ感を覆しうならせる作品が登場
やはり宮部さんは裏切らない!!
他「ドルシネアにようこそ」「言わずにおいて」「聞こえていますか」
「裏切らないで」「私はついてない」収録
日々の生活と幻想が交錯する東京
街と人の姿を鮮やかに描き、爽やかでハートウォーミングな読後感
(今ハートウォーミングとは聞かない(笑))
東京という街 時代は違えども感じる気持ちは同じ。
それにしても東京タワーの正面を意識したことはなかった。
わたしにとっての東京って何だろう?
人生の半分も住んでない田舎者の目にはまだまだ輝いている街
この装丁イメージ通り!
酔いの勢いもあってたまには読書してみたら?って
ちょうどバッグに入っていたこの本を渡す。
「面白いかも」と反応は上々^^
冬休み読書しましょ
明日はクリスマスパーティー 中央線沿線アツイぞ!(笑)
宮部みゆき
『我らが隣人の犯罪』★★★
やっとデビュウ作GET~
オール讀物推理小説新人賞受賞作
短編仕立てになっていて、
他「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」収録
個人的にはどれが好きかな?
長編にもなるだろうと思われる作品を上手く纏めた感はある。
推理しながらというよりは、物語の流れに乗ってその展開を楽しんだ。
小気味よい軽めなミステリー
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「わたくしは、先生に、わたくしを殺していただきたいのですよ」
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どうです? (「気分は自殺志願」より抜粋)
中間を飛ばして『蒲生邸事件』にゆきたいところ。
我慢我慢・・
宮部みゆきが溢れてる~(笑)
だってこっちもですよ。https://blog.goo.ne.jp/bookook/e/7351df7b33f9845cf3739cc4acd64b83
お正月読書はこちら(やっとですよ!)
9連休なんてあっと言う間よね。
この先どうなるんだろう?ストッパー
宮部みゆき
『淋しい狩人』★★
とうとう失速!?あらら?
代表書籍から読み進めたせいかしら。
新鮮さが欠けてしまったのかもしれない。
右京さんじゃないけど「わたしの悪い癖」
ハマるとずーーーっとその作家さん熱にSWが入ってしまう。
たまに息抜きもしているけど、ぶくぶくぶく。。
光に向かって手を伸ばすも溺れてしまったよう。
ばしゃばしゃもがいてはいけません。
さてこちら下町の古本屋さんを舞台にした短編集
ゼロメートル地帯 よく知ってます!(笑)
碁盤の目のような街割り。
たまには下町散歩に出ようかなと思ったり。
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世の中、なんでも為せばなるものだ。いや、為せばなるという勢いでもって生きている人間には、世の中はときどき点を甘くつけてくれるものだ、と言ったほうが正解かもしれない。
年寄が出てくると、なんでも丸くおさめてしまう。それはやはり、良くないのではないか。風邪のひき始めに解熱剤を飲んで封じこめてしまい、あとあとまで全快しないで辛い思いをすることがある。あれと同じだ。出る熱は出してしまったほうがいい。物事というのは何でも、一度は喫水線を超えさせてからでなければ、収拾をつけることができないのだから。
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久々の1位はやはりうれしい♪わーいわーい
(キムタク効果ではありません あしからず)
宮部みゆき
『ステップファザー・ステップ』★★★
表紙の第一印象だと「絶対」読もうと思わないけど、
グッと我慢(笑)
まだまだ出逢えぬ名作 かもしれない。
さてこちら題名のstepfatherは日本語で「継父」を意味
継母はよく聞くけどね。
中学生の双子の兄弟と、彼らの父親代わりをする羽目になったプロの泥棒の物語
ユーモア溢れるミステリー
やはりこういう賢い子供に弱い(笑)
シリーズ化してもよさ気に思えた。
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「ベートーヴェンが歯の生えたシーツに乗って襲ってきたんだ」
「熱があるんだね?」
だから、いいのだ。お互い、淋しいとき淋しいと感じる人間同士の関係を優先した方が、世の中楽しくなるに決まってる。
「お父さん」
「今」
「発見したんだけど」
「風邪ってさ」
「早くよくなってねって」
「心配してもらうために」
「ひくものじゃない?」
心配してくれる人がいれば、鼻風邪にかかることだって、楽しい。
そう。そういうことなのだ。
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うん。実感です。
「駅から遠いんだったら送ろうか??」
たったこれだけで心にしみる・・(笑)
https://www.tbs.co.jp/stepfather/
こちらもドラマ化されていた。
結構このキャストは「あり」かもしれない。
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未読本
旧い本が手に入らない・・
『我らが隣人の犯罪』
『返事はいらない』
『スナーク狩り』
『とり残されて』
『淋しい狩人』★ ←現在こちらへ。
『地下街の雨』★
『鳩笛草』
『人質カノン』★
『蒲生邸事件』★
『クロスファイア』
(★GET)
アレルギー数値が高いのは自覚しているけど、
鼻水が止まらず風邪かと病院へ行ったら・・
「アレルギー性鼻炎です」
そうなの!?
微熱だしちょっと納得ゆかず。
https://www.ssp.co.jp/alesion/rhinitis/difference/
しかしセルフチェックも「アレルギー性鼻炎です」
そうなの!?
くしょん!連続くしゃみが止まらない!
『長い長い殺人』★★★★★
光文社が出版する1959年創刊ノベルスレーベル
推理小説、娯楽小説が主で代表作に西村京太郎の「十津川警部シリーズ」
うちの母が山村美紗シリーズを読んでいた記憶
結構旧いし、文庫本が主流となったから存在しない。
と思いきやありました↓
さて本書『長い長い殺人』
登場人物たちの財布が語り手となり、事件の真相を解き明かす斬新な殺人ミステリー
いやホントその発想がおもしろい!
だって“財布”目線ですよ(笑)
◆強請屋の財布
◆少年の財布 ←グッとくる。
◆探偵の財布
◆目撃者の財布
◆死者の財布
◆旧友の財布
◆証人の財布
◆部下の財布 ←オンナは賢い?まだまだ甘い。
◆犯人の財布
◆エピローグ 再び、刑事の財布
なので読む順番が逆だったらよかったのにと悔やむ。
お誕生日もそうだったけど、苦しい夢が多い・・
色々な意味で解放される年なのかもしれない。
宮部みゆき
『レベル7』★★★
結構な厚みの文庫本
宮部さんのハードカーバーなんて重くて無理無理(苦笑)
表紙と「レベル」からゲーム関連な匂い。
ロールプレイングゲーム的なね。
正直そっち関係は興味が持てなくて、そこで前調べ。
書評は読まないようにしているのだけど、これはこれ。
こちら検索時のチラ見であまり高評価じゃないのが引っかかった。
というのも、始まりから「これはまたおもしろいぞ」と私的には高感触
一気に読み終えるのでは!?そんな期待すら。
宮部さんって「ハズレ」がない。
しかし『レベル7』早い段階で「ネタバレ」が始まるという・・
これが書評通りなのか!?
そうなの。自分で推理出来ないくせに、率先して推理されるとつまらなく。
これこうこうとクドさまで感じてしまった。
飽きない展開に持ってゆくのが作家の力量
なので前半★★★★高評価に対して、
後半★★★ ってことで、再読したいか考えて3つとしてみた。
私的に★★★★は数年後に再読したい本
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夜は、町の景観を一変させていた。
味気ないコンクリートの塀も気にならない。夕立は空気を洗って通りすぎ、涼しい風をあとに残していた。彼は塀の上に両肘を乗せ、煙草をくゆらせながら、しばらくのあいだ夜景に見惚れた。
どうしてこんなにたくさんの明かりがあるのだろう。おそらく、その一つ一つは、電気店やデパートの家庭電化製品売場で買い求められた、さして美しいものでもないのだろうに。ほこりをかぶり、内側に死んだ羽虫を閉じこめた、ペンキのは
げかけた街灯にすぎないのだろうに。
遠く、ひときわ明るく、東京タワーが見える。赤とオレンジのライトをいっぱいに身にまとい、非現実的なほど美しい。手をのばせばつかめそうなほど近くに見えるのも、そのライティングのせいだろう。
地上の明かりとは違い、周囲に建ち並んでいるマンションの窓明かりは、少しずつ色合いが異なっていた。カーテンのせいだ。たくさんの家庭に、たくさんのカーテン、その内側に、たくさんの人間たちがいる。
自分にも彼女にも。帰るべきカーテンの内側があるはずだった。それが、どこにあるのか、そして、果たして自分たちがそこに帰りたがっているのかどうかさえ、今はわからない。知りようもない、と思った。
「東京って、きれいな街ね」
「夜だけだよ」
自分はかつてここにいた、という実感が、初めてこみあげてきた。ネガがポジに変わるように、頭の奥底から記憶が立ち上がってくる。
起こったことの重さが、じわじわと感じられてきた。またひとつと、石が積まれてゆくように。温度が一度ずつ上がっていくように。負のエネルギーが貯えられて、臨界点に達するのを待っているかのように。
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読書ブログを流れ歩いて、宮部さんを多々読んでいる方に到達^^♪
知らない書籍名がまだまだあり、一体何作あるのか…楽しみは続く。
京都旅行には『長い長い殺人』を持参
あっという間に年末よね。
本日早速忘年会第一弾、明日第二弾・・
宮部みゆき
『模倣犯5』★★★★
きたきたきたー!最終巻!
結末が分かっているとしても、やはりメインとも言える場面
じっくりと寝静まった深夜に取っておいた★
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「いいか、よく覚えとけ。人間が事実と真正面から向き合うことなんて、そもそもあり得ないんだ。絶対に無いんだよ。もちろん事実はひとつだけだ。存在としてはな。だが、事実に対する解釈は、関わる人間の数だけある。だから、事実には正面も無いし裏側も無い。みんな自分が見ている側が正面だと思っているだけだ。所詮、人間は見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じないんだよ」
こいつは蛇だ。真っ直ぐ走ることのできる蛇だ。だから狙われた者は逃げられない。
そして、狙われた者が勇気を持って、追ってくるこいつを待ち受けてその頭を踏み潰してしまわない限り、こいつは殺せない。
レイ子 ええ、そう。ファックスやインターネットだと、すごく速いじゃない?書いたものを自分で読み返す時間がない。だから、かなりトンデモないことでもさらっと書いて送信しちゃって、だけどそのこと自体も割りとすぐに忘れちゃいそうな気がするわけ。だけど、ハガキとか手紙ってのは、書くのが大変だからね。それなりに時間をかけて考えたことを、一定のスペースにおさまるように文章にしなけりゃならないでしょう。しかも書いたあと、それを持って玄関で靴をはいてポストまで歩いていって投函しなくちゃならない。
――怖い、怖いと思っていながら隠れていると、もっと怖い。怖いから、立ち向かうっていうことだって、人間にはあるよ。
犯罪者はなぜそんな、我が身を危うくするミスをするのか?良心の咎めを感じて手元が狂う場合もある。
自身のおかした犯罪に自家中毒症状を起こして自滅する場合もある。
「あんたはいつだって何かをやろうとしてきたんだ。あんたの身に降りかかった災難から立ち直るために、何か道がないかって、ずっと探してきたんだ。その一瞬一瞬は、いつだってあんたにとっては正しい方向を向いていたんだよ。だけど、ちょっと続けて苦しくなると、すぐにそれが間違ってたような気分になって、やっぱりあれはホントじゃなかったって言い始める。まるで、いちいち“あれは本当のことじゃないです”って断らないと、誰かに叱られるとでも思ってるみたいだ。誰も叱りゃしないよ。
だって、あんたの人生はあんたのものなんだから。過去の災厄だけがあんたのものなんじゃなくて、これから先の人生だってあんたのものなんだ。誰にもお伺いをたてたりせず、自分のためになることを自由に考えていいんだよ」
彼の愉悦を。彼の喜びを。彼の快楽を。
現実を直視しろ。
わかってる。そんなこと言われるまでもなくわかってるのだ。でも――
「頭でわかることと、現実にそれを身に受けることとは、全然違うよ」
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この先の指針 現代長編をゆく。
早速『レベル7』♪♪
ブログ開始から2855日=7年8ヵ月
あの部屋から始まった読書備忘録まだ続いてる!
今日新たに魅惑で勢いのある柄から、まったり癒しなひつじちゃんへ。
これぞイメチェン(笑)
引き続きよろしくお願いします^^