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2017-09-09 | 司馬遼太郎


司馬遼太郎
【ワイド版】
『街道をゆく 28 耽羅紀行』★★

http://publications.asahi.com/kaidou/28/index.shtml

耽羅(たんら)

も~進まない進まない・・
名前の読みが・・
ルビが最初しかふってないから繰り返し確認ばかりで・・
しまいには睡魔に襲われ同じところを何度も読む2

日本音、韓国音 どちらも中国音なのである。
んー・・・

こちら続編有



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ところで、済州島のことである。朝鮮語でいうと、チェジュドである。こういう名称にかわったのは十三世紀末のことで、それまでは、
「タン(タム)」
あるいはトムといった。漢字は、耽羅、耽牟羅、屯羅などといったふうに当てている。
『日本書紀』では、主として、
「耽羅」
で、ふつう、たむら、というルビがふられている(現在は、たんら)。要するに、済州島は、古代、耽羅という独立国だったのである。
独立国とはいえ、強国の百済に牽引されるところが強かったらしく、やがて、百済の力がよわくなると、新羅の勢力下に置かれた。ついでながら百済は耽羅を属国にすると、羅が国をさすことをきらってか、耽津(たんしん)と変称させた。津は、みなとをあらわす。いかにも地方的な名前に変えられたのである。さらに高麗朝の末期(1291年)に「済州」というふうに、州の字をつけて行政区そのものの名称に改称させられた。みな島人の意志ではない。
古代の耽羅のころは、言語と風俗において、きわだって独立性をもっていたように思える。ただその実態は、いまとなればほのかにしかわからない。



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――済州島は、死火山である漢拏山(1950メートル)一つでできあがっていて、その裾野が平野です。



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済州島については、
「三多」
と、よくいわれる。女多し、風多し、石多し。

「済州島三多(風、石、女)のうち、いちばん多いのが、石です」
「そのくせ、他から石を買うのです」



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島の北岸の邑を過ぎるとき、邑の名が、
「涯月(エウオル)」(Aeweol)
という名であることに感じ入った。
涯は、水辺、海岸、岸辺という意味である。おそらくはこの海岸から見る月がよほどうつくしのにちがいない。



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韓国・朝鮮人は、ごく一般的にいって、激越なほどに誇りが高い。



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「父老というような人に会いたいんです」

その存在は『老子』にいうところの「無為」である。



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漢拏山は、人間や動植物のためには神の山としかいいようがない。海ぞいに点在する約百五十ヵ所の湧水によって古代以来、人間に集落をつくらせてきただけでなく、高度によって植生を異にする。

漢拏山が、こうも大量の榧の森を蔵しているというのは、まことにふしぎである。



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海というのは、ふしぎなものである。
水だけのとりとめのない世界なのに、人間がそこへ押しだす場合、風むきや海流の方向などによって、陸地のように道ができてしまう。朝鮮半島は、その道からわずかに北へそれている。
このため、十五、六世紀の大航海時代、ヨーロッパは日本を“発見”したあとも、ながく朝鮮を“発見”しなかった。
李氏朝鮮は隠士の国といわれたりした。



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人間はつい頭のなかで、勝手な“ニセ統計”をつくり、ニセ概念化し、それをもって相手をあてはめようとしがちである。



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自然こそ不変だというのは一つの迷信で、これにつき、芭蕉が『おくのほそ道』のなかで、むしろ自然こそ変化する、と書いていることを、ドナルド・キーン氏が感動的に指摘している(『百代の過客』)

  山崩川流て道あらたまり、石は埋て土にかくれ、木は老て若木にかはれば、時移り代変じて、其跡たしかならぬ事のみを……。

私はこのくだりは芭蕉の文飾ぐらいにおもって読み流していたのだが、キーン氏は芭蕉の思想である、ととらえている。まことに山河は変る。とくにこの耽羅の国にあっては、全島に灰色の近代的な道路網が四通八達し、道路以外の表土はびっしりと蜜柑の木でおおわれつくしてしまって、変貌とうことばさえなまぬるい。


故郷とは、なにか。



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「日本と日本人」
という概念が、韓国において牢固としてできているらしい。

儒教社会では、年長であることが価値なのである。



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護摩とはサンスクリットの homa のことで、古代インドのバラモン教徒が天を供養するときの一方法としてやったという。火を焚き、その中に供物を投じると、天がこれを食べ、お礼として人に福をさずけるというのである。



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済州島における最大の神は、漢拏山である。



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群れで仕事をしても、獲物は自分で取ったものは自分のものであり、他人のものは他人のものなのである。



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