その昔、テレビCMでグラスに注がれたビールの、クリーミーな泡や黄金色の液体が、子供心に本当に旨そうに見えました。同じように、グラスに注がれるコカコーラの、はじける泡と濃いワイン色の液体も、とても美味しそうに見えたものです。
ビールに対する幻想は、晩酌する親父の隙を見て、ひと口盗み飲みした時に、その強烈な苦さとともに泡と消えました。
田舎育ちの私の現実に、コカコーラが登場するのは、テレビCMから数年後のことでした。中学校からの帰りに、当時開店したばかりの食料品店の店頭の冷蔵ケースに、コカコーラは忽然と現れたのです。
早速、友達とふたり190mlボトルを買って飲みました。ビールの一件もあり、あまり期待はしてなかったのですが、ひと口飲んだ途端、テレビCMや、アメリカの家庭を紹介した雑誌のグラビアなどから想像していた味と、ピタリと一致したのにはびっくりしました。ちなみに、一緒に飲んだ友達は、おばあちゃん愛飲の養命酒みたいだと言って、ふた口ほど飲んで残りを私にくれました。
その日以降、毎日学校帰りにその店でコカコーラを飲むのが私の習慣になりました。
ビールに対する幻想は、晩酌する親父の隙を見て、ひと口盗み飲みした時に、その強烈な苦さとともに泡と消えました。
田舎育ちの私の現実に、コカコーラが登場するのは、テレビCMから数年後のことでした。中学校からの帰りに、当時開店したばかりの食料品店の店頭の冷蔵ケースに、コカコーラは忽然と現れたのです。
早速、友達とふたり190mlボトルを買って飲みました。ビールの一件もあり、あまり期待はしてなかったのですが、ひと口飲んだ途端、テレビCMや、アメリカの家庭を紹介した雑誌のグラビアなどから想像していた味と、ピタリと一致したのにはびっくりしました。ちなみに、一緒に飲んだ友達は、おばあちゃん愛飲の養命酒みたいだと言って、ふた口ほど飲んで残りを私にくれました。
その日以降、毎日学校帰りにその店でコカコーラを飲むのが私の習慣になりました。