★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

2本のギターの出会い

2005年05月23日 18時51分45秒 | ギター&ウクレレ
 1973年4月、京都の某大学に合格した私は、入学式を終えておふくろと四条河原町に降り立ちました。おふくろが入学祝いに何か買ってくれると言うので、私は以前から欲しかったアコースティック・ギターをねだりました。
 
 今ではもう存在しませんが、目の前にブラザー楽器店という小さな楽器屋がありました(三条に十字屋という有名な楽器店があるのを知ったのは、もっとあとのことでした)。
 
 店の中に入って、床に立て掛けて並べてあるギターを見ながら奥へ進んでいくと、1本だけ特別待遇のように、壁に掛けられたギターが私の目を捕らえました。
 
 他のアコースティック・ギターよりひとまわりも大きく、サンバースト・フィニッシュ、虹色に光るインレイ、サウンドホールの横には、花をモチーフにしたゴージャスなピックガード・・・まさにキングオブギターに見えました。
 
 アリアWJ-35(これもあとで知ったのですが、ギブソンのJ-200のコピーものです)。国産でハードケース付、定価35,000円を、試奏も値切りもせず購入しました。
 
 学生時代は、このギターでジャパニーズ・フォークからビートルズ、サイモンとガーファンクルなど、大いに弾きまくりました。ドスのきいた大音量は仲間の注目の的でした。合宿や帰省の時にも、大きくて重いのですが、持ち運びました。
 
 そんなギターでしたが、卒業、就職、結婚と時が流れるとともに、いつしか押入れの隅で、ほこりをかぶり冬眠状態となっていました。その間に世間では、アマチュア・バンドの隆盛とともに、エレキギターが幅をきかせ、アンプラグドが流行ると、マーチンやギブソンなど輸入ブランドのアコースティック・ギターが巷に出まわりました。
 
 大学卒業から四半世紀以上が過ぎ、会社でも先が見え始め、デスクワークの合間にネットサーフの余裕が出てきた頃、戯れに覗いたホームページで、アーチトップ・ギターと出会いました。ギブソンのLシリーズ、エピフォンのエンペラーやゼファー、トライアンフなど、ヴィンテージものの醸し出す、重厚で流麗なフォルムに魅せられてしまいました。
 
 とは言え、30万も40万もするオールドギターを買う経済的余裕はなく、フラリと立ち寄った大阪のKEYという楽器店で見つけた、ギブソンL-48のコピーもの(韓国製で定価50,000円)のアーチトップ・ギターを35,000円に値切って衝動買いしてしまいました。
 
 それがアリアFA-50でした。早速、CD付のカントリーブルーズの教則本を買い、フィンガーピッキングの練習を始めました。音量は小さいのですが、弦のテンションが低く、フラットトップ・ギターに較べると、すごく弾き易いのが特徴です。
 
 最近ではWJ-35も冬眠から叩き起こし、2本のギターを弾き較べたりして結構楽しんでいます。
 
 かくして、30年の時を隔てて出会った2本のアリア製のギターは、日韓の国籍こそ違え、仲良く同居し、それぞれの異なった音色で私を楽しませてくれています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする