日本におけるスポーツ選手のメンタルトレーニングが諸外国に比べ、大幅に遅れていることを前回お伝えしました。
個人でメンタルコーチ(トレーナー)をつけている選手も増えてきていますが、プロ野球やサッカー(Jリーグ)などのプロスポーツを含め、競技団体やチーム単位で専属のメンタルコーチを配置し、対応しているチームはほとんどありません。
アメリカのMLB(大リーグ)など欧米のトップスポーツチームでは、ほとんどのチームにメンタルコーチが帯同し、サポートしているのとは大きな違いです。近年は東南アジア諸国も積極的に導入し始めています。
フィジカルトレーナーやアスレチックトレーナーも兼務しているチームが多い、我が国のスポーツ界ではそこまで行き届かないのでしょうが、大事なことは間違いないことです。日本はその点では明らかに後進国といえます(残念ながら…)。
昔から武道などの世界では「心・技・体」と称され(個人的には「身・体・技」の順番が実情に近いと思いますが…)何かと重要視されるフレーズでありますが、その先頭に出てくる「心」の部分がないがしろにされている現状は嘆かわしいといわざるを得ません。
今回の平昌五輪でもそうでしたが、メンタル(=脳)のコントロールが競技の勝敗や結果につながる場面を数多く見てきました。
人間は具体的な(+確固たる)イメージがあって、はじめてモチベーションが湧いてきます。そして、そのイメージ(夢や目標)を実現するために、ハードな練習をし、ぶれない自信を身につけ、大会(試合)に臨むのが大雑把な流れです。
ちなみに「心・技・体」の三角形のバランスを壊すことなく、大きく(最大化)していくのが、アスリートのトレーニングの要点になります。一朝一夕では変わるものではなく、地道に続けることで着実に見につくものです。
その根幹である部分が、日本のスポーツ界ではおろそかになっている(恐ろしい)現実。
専門知識を有した指導できうる人材が少ない(本気で育成していない)のも一因ですが、日本社会がまだまだ「根性」や「気合」といった得体のしれない精神論で片付けてしまう風潮があります。
反論する向きもあると思いますが、そういう方々に問いたい。
「根性」や「気合」を具体的に説明できますか? 何をどうすれば「根性」を養ったり「気合」のコントロールができますか?
対して、メンタルトレーニングは人間が持つ基本的な能力を軸に、科学的な裏付けがあるものです。なので、選手たちも真摯に受け止め、実践すれば結果につながりやすいのです。
次の五輪は2020年東京大会です。開幕は2年5カ月後です。今からでは遅いかもしれませんが、国を挙げて結果を求めるなら、早急に何らかの施策をすべきだと、心理カウンセラーとして活動している私は思います。
ps、スポーツ界で実績が上がれば、ビジネス界などでも幅広く汎用(応用)できます。というのも、スポーツ(競技)は求められる要素が一般の人たちより多いですからね。このことは、またいつかお話ししましょう!