読売新聞より。
北海道新幹線の開業2年目にあたる2017年度の営業損益が103億円の赤字になる見通しであることが26日、JR北海道への取材でわかった。
18年度も102億円の赤字予想。平均48億円の赤字を見込んだ開業前の当初想定から大きく悪化している。
赤字拡大の背景には、乗車率の低迷、青函トンネルの老朽ケーブルの取り換えや車両の本格的な点検などで経費がかさんだことがある。16年3月26日に開業した北海道新幹線の乗車率は、1年目の16年度は32%だったが、17年度は26%に低下している。16年度は54億円の赤字だった。
財務省は25日に開いた財政制度等審議会の分科会で、JR北の経営について「北海道新幹線の赤字が拡大しなければ、維持困難な線区の営業赤字158億円の解消で、経常利益の黒字化が見通せた」と指摘している。<了>
こればかりはJR北海道だけの問題とは言えない。新幹線は国策であるから、計画がいかに古くて、現代にそぐわないかを露呈したに過ぎない。
また現状では新函館北斗が終着なのも半端であるし、函館を含めた道南観光も転換期を迎えている。
JR北海道としても、新幹線で(将来に向けての)赤字を埋められたら・・・とそろばんを弾いていただろうが、正直なところ「当てが外れた」気持ちだろう。まして赤字が増えていくのだから、頭が痛い要素が増えたに違いない。
首都圏で暮らしていると、こちらの方々は北海道に対するイメージの良さや憧れに近い印象はあるものの、実際に行ったことがある人が僅かであることがわかる。
外国へ行くくらいの感覚らしい。それくらい遠い存在である。
今では成田から格安航空(LCC)で行けば、閑散期なら往復1万円くらいで行き来できる。新幹線は基本的にビジネスユース。札幌まで延伸されれば、幾分利用者は増えるだろうが、建設費の償却はもちろん、赤字の補填すらできないのは明らか。
新幹線が来れば・・・と妄想を膨らませている道内の財界人は考えを改めないとダメだ。まずは北海道の魅力作りと誘客が最優先事項、その先に新幹線を含めたインフラ整備がある。
とは言え、LCCを含めた飛行機には時間やコスト面での優位性があるから、北海道新幹線は赤字の垂れ流しになることが確実だ。
数年後には1日4~5往復くらいになるかもしれないですな。過疎地のバスみたいだけど、それが現実なのだ。