朝日新聞デジタルに「北大合格、道内には狭き門」という記事があった。http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20190128010500001.html
要約すると…
北海道大学は、合格者に占める道内高校出身者の割合が年々減少し、昨年の入試では過去最低に落ち込んだ。道外からの人気が高まる一方、地元出身者には「狭き門」になっている。2009年実施の一般入試(前期、後期)の合格者は、道内と道外の出身者がほぼ半々だったが、道内出身者の割合は減り続けている。昨年は32.2%まで落ち込み、記録が残る1990年以降で最低だった。
北海道高等学校進路指導協議会会長は「10年前なら北大に受かっていた層の道内受験生が、道外からの受験生が増えたことで押し出される形になっている。札幌圏以外の地域の高校では、その傾向がさらに強いのではないか」とみている。
背景に「総合入試」の導入があるのではないか。特に総合入試の理系には、獣医学部、農学部といった全国的に知名度が高い学部の進路が含まれており、全国からの受験生が増える要因になっている可能性があると分析している。交通機関の発達や格安航空会社(LCC)の増加などによって「本州と北海道の往来のハードルが下がったこと」も理由に挙げられる。<了>
人によっては、学問レベルの地域格差に映るかもしれない。そういう側面があるのは確かだが、それより問題として考えられるのは「環境格差」ではないかと考えます。
北海道など地方出身者が学力的に劣るとは思わない。ただし、小さい頃から切磋琢磨して競い合ってきた環境にないため、その能力が磨かれているとは言い難い。感覚的ではあるが、能力が100あるとして、首都圏の子どもたちは(早い段階から)80以上で推移するのに対し、北海道の子どもたち(小学生)は60程度ではなかろうか?中学・高校でその差は幾分縮まるものの、15ポイント程度開いたままだと思われる。あくまでも平均値なので、あとは個人の問題になるのだが、やはり環境因子は見逃せないと思う。
私の実体験でお話すると、子どもたち(とくに小学生)の運動指導において、身体の使い方などを指導すると、首都圏の子どもたちと北海道の子どもたちではハッキリ言って理解力に差がある。これも日頃から思考力を鍛えられているかどうかの差だと思っている。ただ情報を受け取るのではなく、自分の感覚に置き換えることがすんなりできる子たちが予想以上に多い。首都圏で活動をし始めたとき、ある程度の想定はしていたが、その想定を超えることが当たり前だったので、幾分驚いたし、アジャストする必要があった。
あとは集中力にも差があるように感じる。これは基礎的な体力(ここは重要!)やメリハリの度合い(加減)が主な理由で、これも日常からの意識や(学校や地域社会の)取り組み方の違いが差になっていると思わざるを得ません。
それと勝負事に臨む気概(気合、戦闘モード)が足りない気がします。長閑な風土がそういう人たちを醸成しているため、いざ勝負となった時に勝負弱い側面が出てしまう気がします。
反面、地方出身者ならではの良いところ(利点、長所)もたくさんあるので、そこで勝負できるようになればいいのですが…。現代の都市社会をベースとした社会制度ではなかなかそういう場が少ないと言わざるを得ません。
なので、北海道をはじめとする地方の人たちも、環境次第ではどうにでもなると思っています。しかし、首都圏のような緊張感・緊迫感はなかなか出てこないのも事実。そこをどうするか?これが大きな課題ではないでしょうか?
おそらく、自らの人生に対するモチベーションがあり、経済的な支援ができる家庭環境ならば、首都圏などにある有名な進学校に進む子どもたちが増えそうな気がしますね。
ただそうなると、もっと地域格差が広がる悪しきスパイラルが生まれ、増長されていくでしょう。ここだけは民間活力よりも政治の力の見せ処なのですが、現代の欺瞞だらけのインチキ政権(政府・役人)では無理でしょうな。