先月下旬、3日間の関東での仕事を終え、JR常磐線を北上し、仙台で東北本線に乗り継ぎ、少しずつ北海道まで戻ってきました。
約2日間、ローカル線に乗りっぱなしで、かなりの鉄分が補給できましたが、さすがに疲れました。
途中、6年半前の福島第一原発事故で多大な影響を受けた地域も通りました。
この区間の鉄道(JR常磐線:竜田~原ノ町間)はバスでの代替輸送になります。全面復旧は2019年度とのこと。
この代替バスには、放射線量を示す画像モニターが設置されており、走行中はバスの前面に設置されたモニターで確認できます。
また安全のため、窓を開けることは禁じられていました。事情をわかって乗っているはずですが、それでも車内に妙な緊張感が漂います。
基本的に、国道6号線を北へ向かっていきます。
途中、車内モニターで3.72μSv/hを示す場所もありました。
この春、浪江町など4町村で避難指示が解除されましたが、その基準は3.8μSv/h(年間20mSv)だったので、かなりギリギリの数値でした。
バスに乗った人たちは私を含めて、そのモニターを真剣な眼差し(ある人は不安げな表情)で見ていたのが印象的でした。
おそらく場所によっては、基準数値を越していたはずです。このあたりに詳しい方に話を聞くと、10μSv/hを超える場所も相当数あるらしい。
また対象外とされる家屋の中などは、換気扇などから放射線物質が入っている可能性が高く、決して安全とは言えないでしょう。
さすがにマチに人の気配はなく、各種作業に従事する人たちと、警戒監視する警察官とパトカー。それと地域の役場の人たちがパラパラ見えるのみです。
何とも言えない気分になりました。
現地の方々には悪いけれど、日本人なら一度はその模様(雰囲気)を感じておく必要があると思いました。
普通、バスの中は会話が聞こえたり、お菓子を食べる音など、何かと物音がするものですが、このバス(車内)はエンジン音とロードノイズしか聞こえません。
以前、この代替バスに乗った知人も同様な印象だったとか。物々しい雰囲気のまま、バスは北上します。