第653話 父の足の裏

2013年10月23日 06時16分57秒 | Weblog
「(父が)自転車に乗っている時にこけて、足の骨が折れ、入院している」
自転車でこけたぐらいで骨折? 笑い話かと思いきや事態は深刻だった。
父がこけた背景には高血圧があり、骨折も検査結果によっては切断の可能性もあるという。
病院のベッドに横たわる父を見た時、息子と遊ぶ父の様子から感じたことのない老いを感じ、
このどこか力ない様子が本来の父の姿であることを知る。

倒れる前、父に会ったのは祖母の3回忌の折だった。
ぎりぎりまで息子と(普段着で)遊んでいた父が喪服に着替え、あとは黒い靴下
というところでお坊さんから道に迷っているとの連絡が入り、慌てて迎えにあがる。
戻って来た父に「靴下、はいたら?」と勧めたが、
遠方からお越しいただいているお坊さんをお待たせしてはという思いがあったのだろう、
父が裸足のまま正座した。 
お父さんの足の裏ってこんななんだ・・・
読経中することもなく、私は前にいる父の裸足の裏を眺めていた。

切断か否かわからぬこの4日間が辛かった。
後遺症は残るかもしれないが、幸いにして切断に至らぬ結果を昨日得て、本日手術日である。

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